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あっという間に最後のキャンドルを開ける日。
火を灯すと、ほのかに甘い香りがクリスマス仕様に飾り付けた部屋に広まった。
ローストチキンの準備も完璧だし、あとはワインと映画で私の聖なる夜は完結する。
１人と１匹だけで。
出会った頃よりお仕事が増えてるんだろうなっていうのは私からみても歴然だったし、「チャンスは何回もやってこないかんね。」って笑うからなんにも言えなかった。
合鍵渡してても絶対に勝手に来たりしないのが彼っぽくてそんなところが好きだなって実感してるの。
やっぱりサンタさんにお願いするならなんにもいらないから彼が今日も笑ってますように...だ。
なんてこと考えてたら電話が鳴った。
「もしもし？」
「メリクリー！今何してる？」
「ワイン飲みながらホームアローン観てる。」
「あはっ大丈夫？病んでる？」
「めちゃくちゃ王道満喫してるよ。サヨは？」
キャッキャッと笑う声が響いた。
「思ったよりボーナスが多かったから豪遊しようと思って買い物してるんだけど、そこら中カップルだらけなのよ。」
「そうでしょーね。」
「私が空いてるってことはAも暇なんじゃないかなって。」
おんなじ職業の人を好きになった宿命だね。って彼女の言葉が響いてなんでか頭から離れなかった。
心のどこかでずっと思ってる住む世界が違うってこと。
いつか私は目を背けることが出来なくなるんじゃないかな。
「とりあえず出てきてよ。」
「今、ケビンが...、」
「ケビンなら大丈夫。ありとあらゆる罠仕掛けて泥棒やっつけるし家族とも再会出来るから。」
「ケビンの勇気をそんな簡潔にまとめないでよ。」
「観るの何回目？」
「...５回目。」
「おっけ、待ってるね。」
暗くなったスマホと何回観ても色褪せない映画。
天秤にかけるまでもなく私が優先すべきなのは、今この世界のどこかで寂しさ感じてる彼女だ。
ケビンには抱きしめてくれる家族がいるから大丈夫だよね。
急いでメイクして家を出ると、思ったより寒くなくてもっともっと寒くなればいいのに...。なんてこと思ったりした。
みんなの言い訳に使えるようにさ。
寒いから手繋ごとか寒いから抱きしめてとか寒いから会いたいとか。
さすがにそれは強引か。
すれ違う人達の笑顔に、彼の姿を重ねてる自分がいた。
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ちくわ(プロフ) - とかげさん» 返事遅くなってすみません。嬉しすぎるお言葉ありがとうございます。あと少しお付き合いいただけたら嬉しいです。 (8月5日 19時) (
レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
とかげ(プロフ) - ひとつひとつの言葉選びにセンスがあってとっても好きな作品です。これからも楽しみにしてます！ (8月1日 21時) (レス) @page42 id: 21364ac4e6 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - りっぴさん» 返事遅くなってすみません。ありがとうございます。とっても嬉しいです！更新遅いですが頑張りますので今後もよろしくお願いします。 (7月3日 14時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
りっぴ(プロフ) - こんばんは。真夜中に眠れずふと検索からこの作品に辿り着きました。言葉の一語一句が好みの言葉でどれもドストライクです！展開が楽しみです☺︎更新楽しみにしてます！ (6月30日 20時) (レス) id: 4352324f05 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - 千星さん» そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそありがとうございます。頑張ります！ (6月25日 3時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2023年6月12日 5時
