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今、何時だろう。
ふと目を覚ますとまだ暗くて。
隣から規則正しい寝息が聞こえた。
終わった後は私のこと気遣いながら腕枕してくれてた気がするんだけど、なんかすごいとこ向いてるわ。
なんにも身に着けていないことに気付いて自分の服を探すんだけど全然見つからない。
起こさないようにそーっと動いてるから余計に。
彼が着てたTシャツが目に入って、寝てるのをいいことに借りた。

「借りるね。」

一応、声だけかけて。
ふらふらっと吸い寄せられるように窓の方へ行けば隙間から月の光。
ロールカーテン?っていうんだっけ?
そんな感じのやつだから操作が難しくて試行錯誤してどうにかちょっとだけ開けれた。
床にぺたっと座って見上げた夜空。
家の窓なんかより全然大きくて、階数だって倍くらいあるから月が大きく近く見えた。
彼はいつもこの景色見てるんだね。

「...A?」
「ん?起こした?」
「んー、なにしてんの?」

ベットの上で上半身だけちょこっと起こしてる。

「月見てた。」

ふわっと後ろからぬくもり。
ブランケットに包まったまま私を抱きしめ、首元に顔をうずめてる。

「隣にいなくてびびった。」
「うん、ごめんね。ちゃんといるよ。」
「ね、いた。」

そう言って頭をぐりぐりしてくるから、右肩に感じる重みが愛しくなって撫でた。

「あ、ほくろ。」

左のこめかみ?眉毛と目の間?

「今更?」
「いつも髪の毛で見えないじゃん。」
「さっき見えたっしょ。」
「そんな余裕なかったよ。」
「ほんと可愛いね、お前。」

思い出して、恥ずかしくなる。
処女じゃあるまいしなに言ってんだって感じだけど。

「Aもおんなじとこにあるよね?あ、右か。」

そう言いながら私の髪をかきあげてる。

「ほくろって前世でキスされた場所っていうよね。」
「はじめて聞いた。」
「来世で見つけるためのシルシみたいな。」
「じゃあ俺とAは前世でも付き合ってたってこと?」
「ふふっ、そうだったらすごいよね。」
「じゃあ、生まれ変わっても見つけれるようにいっぱいちゅーしとこ。」

たくさん降り注ぐ愛しい人のキス。
月だけが見ててくれるの。
外でデート出来なくたって、私の彼氏だよって自慢出来なかったとしても、2人だけの当たり前を作っていけたらいいな。

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設定タグ:SnowMan , 目黒蓮   
作品ジャンル:恋愛
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ちくわ(プロフ) - とかげさん» 返事遅くなってすみません。嬉しすぎるお言葉ありがとうございます。あと少しお付き合いいただけたら嬉しいです。 (8月5日 19時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
とかげ(プロフ) - ひとつひとつの言葉選びにセンスがあってとっても好きな作品です。これからも楽しみにしてます! (8月1日 21時) (レス) @page42 id: 21364ac4e6 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - りっぴさん» 返事遅くなってすみません。ありがとうございます。とっても嬉しいです!更新遅いですが頑張りますので今後もよろしくお願いします。 (7月3日 14時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)
りっぴ(プロフ) - こんばんは。真夜中に眠れずふと検索からこの作品に辿り着きました。言葉の一語一句が好みの言葉でどれもドストライクです!展開が楽しみです☺︎更新楽しみにしてます! (6月30日 20時) (レス) id: 4352324f05 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわ(プロフ) - 千星さん» そんな風に言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそありがとうございます。頑張ります! (6月25日 3時) (レス) id: a6fdefa27b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちくわ | 作成日時:2023年6月12日 5時

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