てるてる坊主 (ページ4)

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三話目ページ4

ハナが、興味深そうに、窓際に飾られたてるてる坊主を見ていた。

そんなこと気にもせず、和夫は紙の上に言葉を連ねていく。

｢不細工なてるてる坊主ですねぇ｣

その言葉に、ピクリと肩を揺らす。

てるてる坊主は、陸のため、と和夫が作ったものであった。

そんなことなど露知らず、ハナは言ったのだ。

言うだけ言って満足したのかハナは、和夫の方を向いた。

｢それで先生、私にはいつお話の書き方をご教授願えるのですか？｣

｢...ご自分で書いたことは、ないのですか？｣

｢えっ？
ないない、ないですよー｣

急な問いにポカンとしながらも、すぐに笑顔で首を横に振る。

｢書きたいのなら、まず自分で書いてみればいいんですよ｣

｢えぇ？｣

｢添削してさしあげますよ｣

最後の言葉を聞き、ハナは目を輝かせ｢分かりました！｣と元気に敬礼した。

なんて単純。

和夫はこっそりそう思った。

ふと窓際に吊るされたてるてる坊主を見る。

先程言われた不細工、というのにムッとして、ハナの帰宅後もう一つてるてる坊主を拵えた。

丁寧に作り飾る。

揺れる二つを見て、眉を潜めた。