11話目 ページ12
「私がここの寮母だ………
《極星の聖母》ふみ緒さんと、そう呼びな」
「『(おかしなとこ来ちまった/来ちゃったー!!)』」
大御堂ふみ緒と名乗るイカついお婆さんは、いつの間にか私たちの背後に立っていた。
「アンタ達、食材は用意したんだろうね!?」
『えっ、食材?』
「食材って何の…」
「決まってるだろう!!
極星名物……腕試しだよ!!!」
どうやら極星寮に入寮するには、1食分の料理を作って、その味を認められなければいけないらしい。
もちろん、全く聞いていない私たちは食材など持ってないわけで……
『食材持ってないんですけどどうなるんですか』
「そりゃあ野宿だろう」
『さも当たり前のように言われても……』
「諦めな!厨房には使い残りの半端な食材しか残ってないし……」
『!』「!」
「……その余り物は使ってもいいって事?」
幸平くんも、私と同じ考えだったようだ。
『やります!腕試し!』
______________________________
…無事、ふみ緒さんの舌を唸らせることに成功した私たち。
「よろしい!アンタの部屋は303号室だ!入寮を認める!」
「御粗末さまっ!」
そう言ってふみ緒さんは幸平くんに鍵を渡した。
「そして……アンタの部屋は207号室だ!アンタも入寮を認める!」
『ありがとうございますっ』
「やったなっ!村上っ!」
『わっ!』
ワシャワシャと頭を撫でてくる幸平くん。
……あたしゃ犬か。
「おっしゃー!風呂だ!まず風呂だ!村上先行ってるぜ!!」
『レディーファーストって言葉は無いのか…』
お風呂に突っ走ってく幸平くんを見届けて、私は207号室へ向かっている。
207号室は、2階の左奥に3つ部屋があるうちの、真ん中。
両サイドにドアがあるが、そこに生徒がいるかはわからない。
『一応、ノックだけしてみるか…』
そう言って、右のドアをノックしようとしたその時、ドアが開いた。
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名無し44667号(プロフ) - とても面白かったです!続き読みたい!更新して下さいー!! (2020年5月4日 1時) (レス) id: 52b41a10ca (このIDを非表示/違反報告)
眠井さん(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください (2020年3月27日 4時) (レス) id: 572cac2bfb (このIDを非表示/違反報告)
ミイラ(プロフ) - とっっても面白いので早く続きが読みたいです!更新頑張って下さい! (2020年3月26日 0時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:式部ちゃん | 作成日時:2020年3月22日 23時