【企画本編】終末戦記 -零- 【フレディ視点】 (ページ7)

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「ひっ……！？」
「なら契約成立だなァ？」
「ぁ……」

「『汝、その魂を悪魔・フレディに捧げよ。
　さすれば奇跡は眼前に！』」

体を乗り出し、もう片方の手で少年の首をこちらに向ける。
大きな赤い目がこちらの姿を補足すると同時に、恐怖に染まる。
後悔してももう遅い。

「良かったなあガキ！せっかく生き返るんだ、自由に生きようぜェ！！」

今にも悲鳴を上げそうな口元を片手で封じ、自分の領域へと引きずり込む。一瞬の抵抗と、それに反して、まるでしがみつくように。
自分よりも一回り、二周り小さい手が、こちらの腕を掴んでいた。

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自分たちの世界に戻ってくる。
そこにはやっぱり先程と変わらない風景が広がっていた。
手のひらにあるのは紛れもなく、ドクドクと脈を打つ少年の魂。生温かい内臓のようなそれを、というかもはや心臓――みたいな光の塊を、フレディは完全に掌握した。

手元から離れていく魂。ぼんやりと少年の肉体と同じ形に変化して、うすぼんやりとした光に変わっていく。
少しずつ、少しずつ。少年と一体となり、本来あるはずのない光景をただ見つめている。
中身がむき出しになっていた少年の骨、血、肉、皮膚が元通りに変化し、徐々に傷が癒えていった。

「……ぅ……」

小さな虫の鳴くような声が聞こえる。意識を取り戻して、彼はぱちぱちと瞬きし始めた。
転がったままの少年の隣に座り込み、そのままの勢いで前髪をひっつかむ。

「ひっ……！！？」
「おい、起きるならさっさと起きろ」
「わ、わか、分かりました、あの、だから、離して……！！」

目を覆いそうで覆わないくらいの長さにイライラする。
小さく舌打ちをし、そのまま手を離した。ガクン、と崩れ落ちるように少年は座り込む。そのまま呆然としていて動かないので、首の後ろにあった布を引っ張る。