【企画本編】終末戦記 -零- 【フレディ視点】 (ページ11)

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第一章　獣ページ11

空から探せば早いと思っていた。けれど、それらしき姿は全く見えなかった。
あまりにも慣れないのでさっきの場所に下ろしてほしいと懇願され、渋々地上に降り立つ。まだ地獄から来た時の半分も飛んでねえのに。
人間の肉体は脆いので、あまり雑に扱ってはいけない。らしい。仕方ないので怯える少年を立たせられるように、足から下ろしてやった。

「……おい、いい加減になんか話せ」
「……じゃあ、言わせてもらいますけど

――結局この状況って何なんですか！？」

「知るか！！」
「だったらせめてもう少し調べてから来てくださいよ！！」
「地獄でどう調べろっつーんだよ！！」
「ネットで検索とかできるでしょう！！地獄のインターネット事情とか知らないですけど！！」
「また小難しい単語使いやがって、てめえやっぱりオレサマのことを馬鹿にしてるだろ！！」

「してませんッッッ！！」

ただ誰かに聞いて当たり前のことを聞いているだけです！！
今にも泣きそうな震えの混じる声で、少年が叫ぶ。こっちだって早く天使を見つけてぶっ潰してえんだ。わからないのはお互い様だ。それでもこの子どもは、こちらが人間ではないからこそ、こうなっている事情をオレサマが把握しているものだと信じてやまない。

「だったらてめえも天使の居場所を教えろ」
「そんな事できたら苦労しないです……」
「それなら契約のことも終末のことも教えられねえなァ！」
「……えぇ！？」

ぎゃあぎゃあとわめきながら、人間が作った建物の並ぶ場所を歩いて行く。いくつか目立つような看板があるが、一体それが何の為に書かれているのかは分からない。奥にはまたボコボコにやられた人間の肉塊が転がっていた。同族の死体を見るのは憚られる事らしい、と聞いたので、少年の目に入りそうなときにさっと腕を出す。