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ぼんやりと、白い風景が視界に入ってくる。なんだっけ。何があったんだっけ。
ええっと、友達と一緒に遊びに行こうとして。その途中で……。
「おはよう、目はさめた？」
「……」
ぬ、と視界の端に誰かが映る。
目を見開けば、こちらを覗き込むように見つめる少女がいた。前のめりになって、こちらをニコニコと見ている。この子、誰だっけ。
起き上がろうと地面に手をつく。ヌチャ、と嫌な音がして、おそるおそる横を向いた。
……真っ赤な手。
その先に見えるのは、なにかの断面。何か？ 理解なんて到底したくなかったけれど、次の瞬間、
「……キャァアーーーーーーーーッ！！？」
叫んでいた。
「ああ、見ちゃダメだよ。この辺の肉体は損傷が激しいからね。人間にはちょっと刺激が強いかも」
「ちょっとどころじゃなーーーーい！！！」
勢いで起き上がる。違和感だらけの状況が把握しきれなくて、思わず目の前の女の子に飛びついていた。
「わっ」
「なななななななにこれ！？ どういう事！？ わ、私、なんで」
「まあまあ落ち着こうよ。って言っても、ここじゃきっと話もできないね」
こうしようか。
気づいたときには体を持ち上げられていて。状況を把握しきれない私を、その子はさっきと同じように見つめていた。
大きな翼を羽ばたかせ、ふわりと体が浮く。……え、浮いた？ 膝の裏側と背中を抱え、彼女と私は空へ飛び立つ。「どこがいいかな。建物のほうがいい？」なんて当たり前のように聞いてくる彼女に、ただひたすら困惑するしかなかった。
「あ、あの、あなたは……」
「まだ思い出せない？ 落ち着かない？ 気持ちはわかるけど、そろそろ先に進まないと」
「えっ……」
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