【企画本編】終末戦記 -零- 【奥宮カナデ視点】 (ページ7)

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「まだ、まだ私は……ッ！！」

もがいて、先にある光を掴みたくて。もうとっくの昔に離れた腕を伸ばした。
私は、私はなんだっけ。

私の名前は奥宮カナデ。どこにでもいる、普通の女子高校生。

いつも誰かに合わせて生きてきた。多分、そうするのが一番楽な生き方だから。
でも、本当に自分の望んだ生き方だろうか？本当は自分の好きなことをしたい。でも、一人になるのは怖くて。

過剰な自己愛を打ち破って、いつか自由になりたかった。
自分の望むままに、知りたい事を知りたかった。

——今は？
どうしてこんな事になっているの？
どうして人が死んでいったの？
なぜ私達は殺された？
この世界で、一体何が起こっているの？
あの淡い虹色は何だったの？

分からない。分からない事が多すぎる。
知りたいことが、知らない事が、山のように積み上がっていて。
できる事なら今知りたい。何か、何かきっかけがあれば。きっと今の私なら、変わることができる。そんな気がする。