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「……メレディス」
「はい、なんでしょう?」
「あっちの人たち、どのくらいで目を覚ましそう?」
そうですね、と一言おいて、横目で彼らを見たメレディスは答える。
「夜のうちに肉体の修復は完全に終わるでしょう。意識は…何事もなければ、翌朝に」
「じゃあ、明日の朝また集まって話そう」
話を切り上げるように、レオくんが立ち上がった。
「あら、どこへ行くの?」
「……天使退治」
「えっ!? 今から!?」
「…何。なんか文句ある?」
じろ、と睨まれる。
「まさか、今更危険だからとか言い出さないよね」
「でも今から一人で行動する必要だってないんじゃ……」
「ああ、ご心配なく。ワタシがレオのそばに控えていますので、一人ではありませんよ」
メレディスさんが会話に割って入る。
「……メレディスも来なくていい」
「いえいえ、そういうわけには。レオに何かあってからでは大変でしょう?」
少年は心底嫌そうに眉をひそめた。小さい舌打ちが聞こえた後、もう一度私の方を見る。
「…帰ってくるまでに、ちょっとは戦えるようになれよな」
そう言い残し、軽々と瓦礫の山を飛び越えていった。
_____________
無音で迎えた朝。何も聞こえない世界で、曇ったままの空がほんのり明るく輝き始めていた。気づけば眠っていたらしい。自分の手帳は開きっぱなし、ボールペンも先を出しっぱなしのまま、座り込んだ状態で目が覚めた。
同じポーズをしすぎて固まった体を伸ばしながら体をよじる。そのままメイジくんとカノンちゃんの様子を見に行ってみる。ガーナくんにお腹を枕にされ、うんうんと唸るメイジくんと、きれいな姿勢で眠りにつくカノンちゃんが横たわっている。痛々しい怪我の痕跡どころか、元々着ていた洋服まで、まるで何事もなかったように戻っていた。
「……ぅう……」
「! 森永くん!」
私の声に反応して、ぱちっと勢いよくまぶたが開く。顔を覗き込んでいた私に対して、間を置き、
「……! 奥宮!? 無事だったのか!!?」
「うわっ!!?」「ぬ゙ぁっ!!」
勢いよく飛び起きた。自分の体よりも先に、勢いよく両肩を掴まれる。メイジくんに体を預けていたガーナくんは床に転がった。
次の瞬間、パアンと乾いた音と同時に、メイジくんの左に上半身が吹っ飛んでいく。
「へぶっ!!」
「森永くん!?」
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