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「おやおや……奥宮さんには優しいんですねえ？」
「そんなことよりさ」
ふと、ゼットの声色が変わる。
「……アレ、倒す方法ある？」
「フフフ。どうでしょう。生物としての弱点がない、なんてことはないかと思うのですが」
「へ〜？ メレディスって案外簡単にウソつくんだね〜？」
「なんのことです？」
「もう慣れたもんなんでしょ？
君も、その契約者も。なんなら飽きてるくらい」
数秒の沈黙。
この静けさの間でさえも、メレディスの笑顔は変わらない。事実なのかな。顔を上げて、改めて彼らの顔をみる。
「……そうですねえ。まあ、嘘をついても仕方ないでしょう。レオとワタシはすでに何度か交戦していますし、彼らが消滅する条件も知っています」
「え……！？」
「へえ。その割にはあんまり嬉しそうじゃないけど……何があった？」
「……」
困ったように眉を下げ、メレディスはただ笑う。同時に、ギイ、と扉の軋む音がして、誰かがこちらに近づいてきた。
「ただいま、メレディス」
「お疲れ様です、レオ」
真っ青なマフラーを巻き直しながら、少年はこちらを見据える。一瞬だけバチッと目があうが、そのまま目線を逸らされてしまった。
「……起きたのは悪魔一匹と人間一人だけ？」
「ええ。外の様子はいかがでしたか？」
「周辺に3、4匹くらい。交戦中の人はいたけど、まあ大丈夫なんじゃないかな」
戦い方も慣れていたし。そう付け足しながら、少年は重たい袋を床に下ろす。もう一人、少年の後ろにいたのは――
「！ あのときの！」
「ハイガール！ その様子だと十分休めたようね！」
「はい！ ……どうして外に？」
ドサ、と降ろされた荷物の袋から、保存食用のスチール缶が見える。
「外の観察ついでに食料調達！ ってところかしら。まだまだ天使もいるみたいだし、あと数日は滞在する事にしたの。ガール達も遠慮なく休んでちょうだい！」
「あ、ありがとうございます！」
「お礼なんていいのよ、こういうときこそ助け合わなくちゃね！」
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