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目を開けた。
「……あの……」
「ああごめんごめん。もう終わった?」
「終わった〜」
なぜか視界をガーナくんの肉球で塞がれているメイジくんと、壁に突き刺さるゼットさんがいた。
「……ガーナ。そろそろ離してくれないか」
「あいつらがおっぱじめるのが悪いに! おんは最大限にハイリョしてやったのや!」
「配慮……?」
ばっ! と両手を上げるガーナくん。急に視界が開けてメイジくんが眩しさに顔を歪める。
「あの……九条さん、どうしてゼットさんが……」
「ああ、気にしないで。急に触ってくるから成敗しただけ」
「う〜〜〜〜ん手厳しいなァ〜〜〜〜〜! 急に契約し始めるから見せないようにしてあげたっていうのに……」
もぞ、とゼットさんも合わせて動き出す。契約中、私何してたんだろう。ちら、と横目でシエラちゃんの方を見ると、彼女はただにっこりと笑みを浮かべて……いや、三日月のように瞳を歪めてニヤニヤと笑っていた。
本当に何をしてたの? あまりにも怖くて聞けなかった。
「奥宮さん」
「わっ…!?」
唐突に背中に手をかけられる。いつの間にか目の前にはカノンちゃんがいて、閉じきらない微笑みを向けながら言葉を続けた。
「何をきっかけにしたのかは聞かないでおくけど……一緒に天使討伐、頑張ろうね」
「……う、うん」
「……」
あまりにもきれいに作られた笑顔が怖くて、思わず私は視線を逸らしてしまった。
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