| ページ2
_____________
午前11時45分。
『ごめん!』
『めっちゃ寝坊した!!』
『多分着くの30分かかる!!!』
「ええー……」
友達からのメッセージに呆れて、思わず声が出た。
「どうしたの?」
「――ちゃん、あと30分かかるって」
「マジで!? あいつ今日も遅刻かよー!」
「まあまあ、いつもの事じゃん。先にお店行ってようよ」
そう言って二人はあるき出す。私もその後に続いて歩く。二人の会話に耳をすませば、最近流行りの韓流アイドルだとか、動画サイトで人気の配信者だとか、そんな話が飛び交っている。
私はあまり分からないから、二人の会話に入ることはほとんどない。ただにこにこ笑って聞いてるだけ。でもさすがに全く知らないのはまずいから、定期的に確認する。かっこいいけど、好きにはなれない。
趣味が合わなくて若干ハブられているような気がした。一人は嫌だな。早くあの子、来ないかな。いつも遅刻してくるし、わりと愚痴ばっかりで嫌になる。まあ、趣味の話が合わないよりはマシかな、くらい。
「そういえばカナデ、前に言ってた後輩の子とは連絡先交換した?」
「え? ……ああ、こないだ一緒に遊んだ子? まだ会ったばっかりだったし、そこまで仲良くなってはないよ」
「うっそー! 絶対カナデと気合うって!」
「そう?」
それ本気で言ってる? 無理に話題振ろうとしてない? 無理しなくていいんだよ?
「カナデは奥手だからな〜! 彼氏欲しいとかないの?」
「え〜? 今のところはいいかな〜……」
恋愛ってよくわかんないし。
「それより――ちゃんは最近どうなの?」
「あたし? あたしは最近ちょっと〜、なんていうか〜、倦怠期?」
「飽きてんじゃん! 別れ話秒読みじゃね!?」
ぶっちゃけ自分に話振って欲しいだけなんだろうな。
55人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ