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午前11時45分。


『ごめん!』
『めっちゃ寝坊した!!』
『多分着くの30分かかる!!!』

「ええー……」

友達からのメッセージに呆れて、思わず声が出た。

「どうしたの?」

「――ちゃん、あと30分かかるって」
「マジで!? あいつ今日も遅刻かよー!」
「まあまあ、いつもの事じゃん。先にお店行ってようよ」

 そう言って二人はあるき出す。私もその後に続いて歩く。二人の会話に耳をすませば、最近流行りの韓流アイドルだとか、動画サイトで人気の配信者だとか、そんな話が飛び交っている。
私はあまり分からないから、二人の会話に入ることはほとんどない。ただにこにこ笑って聞いてるだけ。でもさすがに全く知らないのはまずいから、定期的に確認する。かっこいいけど、好きにはなれない。
趣味が合わなくて若干ハブられているような気がした。一人は嫌だな。早くあの子、来ないかな。いつも遅刻してくるし、わりと愚痴ばっかりで嫌になる。まあ、趣味の話が合わないよりはマシかな、くらい。

「そういえばカナデ、前に言ってた後輩の子とは連絡先交換した?」
「え? ……ああ、こないだ一緒に遊んだ子? まだ会ったばっかりだったし、そこまで仲良くなってはないよ」
「うっそー! 絶対カナデと気合うって!」
「そう?」

それ本気で言ってる? 無理に話題振ろうとしてない? 無理しなくていいんだよ?

「カナデは奥手だからな〜! 彼氏欲しいとかないの?」
「え〜? 今のところはいいかな〜……」

恋愛ってよくわかんないし。

「それより――ちゃんは最近どうなの?」
「あたし? あたしは最近ちょっと〜、なんていうか〜、倦怠期?」
「飽きてんじゃん! 別れ話秒読みじゃね!?」

ぶっちゃけ自分に話振って欲しいだけなんだろうな。

|→←第零章 終末の始まり



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設定タグ:終末戦記   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:元素 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年8月6日 23時

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