Non genre【2】 (ページ22)

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陸side

今日も事務所にカウンセラーの方を呼んで、
いつものようにHIROさんも来てくださる。

だから俺も事務所に行く。

カウンセリングを受けるため。

家を出れば必ず後ろから聴こえてくる足音。

いつどんな時間帯に出たって、この音が聴こえない、なんてことはない。

俺をずっと監視しているかのように、何処に行くにもついてくる足音と、家の中でも感じる誰かの視線。

ほら、また今日も、、

ｺｯｺｯｺｯ

これは、、革靴？それともハイヒール？

昨日は確かスニーカーだった。

毎日同じ人にストーカーされてるならまだ少し安心感というか、、そんなのがあるだろうけど、、

俺をストーカーする人は、毎回違う人。

ある時はすり足が癖の、30代くらいの人。

またある時は凄く息が荒い人で、離れて歩いててもその人の息遣いが聴こえてきて、正直気持ち悪かった。

またある時は俺が靴紐を結ぶためにしゃがみこんだ時、いきなり項に息を掛けて話しかけてきた、おじさんみたいな声の人。

一体何人で付け回してるの、？

俺はお前らのせいで苦しんでるのに、、、

パニック障害になったのもこのせい。

もともと人間不信気味だったのに、
さらに拍車をかけるようにストーカーが始まった。

だからそれが怖くて夜も眠れなかったり、毎日誰かに見られている恐怖心で過呼吸を起こしてしまったり。

何より、そのせいでグループもやめなきゃいけなくなったことが悔しかった。

自分の大好きな歌でもっとファンの人たちに感動を与えたり、ステージでメンバー皆と踊ったり、
そんな生活を皆みたいに普通に送ることが出来たら、って何度考えたことか。

でももう、出来ないんだ、。

俺はグループを辞めてしまった。

再加入出来たとしても、きっと発作でみんなを困らせるだけだもん。

楽しかった頃に戻りたい、

普通に、生活したい、

ないものねだりばっかり。

自分が大っ嫌いだ。

そんなことを考えているとほら、

また苦しくなってくるんだ、。

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