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新学期。

新入生達は、緊張な趣で部活に見学に来るものや、

体験入部を行うものが沢山いる。

俺は軽音部の部長だが、声楽部の助っ人もしているので

どちらの部活も実力があるかどうかのテストを任されている。

軽音部にはこれといってピンと来るものは居なかったけど、

声楽部には、エースであるイソクミンの歌声を

初めて聴いた時と同じような期待を持たせた生徒がいた。

研修2年のブスングァン。

綺麗に通る高音と、心地の良いハスキーボイス。

イソクミンに伝えてみると、まさかの同じ中学の声楽部で、知り合いだったことを知る。

と言うことは、二人は何度も一緒に歌を歌ってきたという事。

息が合う。それだけでも、綺麗なハーモニーを奏でる事ができる。

この歌声できっと聴くものを皆虜にする力がある。

俺は声楽部のクオリティを、二人が揃うだけで

格段にあげる事ができるんだと、嬉しくてしょうがなかった。

ただ、あくまで俺は軽音部の部長。

軽音部にもこれほどまで見込みのある生徒が来ないものだろうかと少し期待をしてみた。

だがどうだろう。

楽器が上手いわけでも歌が上手いわけでもない。

むしろ初心者。

モテたいがために入りました。

みたいな考えのやつしかいなかった。

俺は呆れて、今すぐにでも声楽部に転部したいぐらいだった。

そんなある日、軽音部の先輩や後輩達が休憩中に何やら話し込んでいた。

あまりにも声がうるさいので、聞きたくなくても耳に入る。

［菖蒲Aがこの学校に入学してきたらしいですよ！］

［え？あの菖蒲？？？］

［へぇ～！すげえ！サイン貰っちゃおうかな笑］

何だそいつ。

アイドルか何かでも入ってきたのか？

つまらない女の話で盛り上がっていないで、

その下手くそなギターでも練習したらどうだ。

なんて嫌味っぽく考えていた。

すると、ユンギヒョンからメッセージが入った。

ユンギヒョン研修2年の菖蒲A

ユンギヒョンこいつは軽音部に必要だ。

軽音部の部員が話題にしていた名前と一致する。

なんだ、音楽の道に詳しいやつか？

なんて考えてはみたが、ユンギヒョンから直々に

こんなことを言われたのは初めてだ。

どんな人物でどんな実力を持つのか。

ユンギヒョンの目には、いつでも間違いはない。

僕はとにかくはやく、菖蒲Aとやらに会ってみたかった。