星空が降る夜に season 2 《北×慎》 (ページ41)

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....言えるわけない。

だって告白以来、私は慎くんに好きと言った記憶がほとんどないから。

前にも同じような場面があった時も、私が好きなのは慎くんとは伝えているけど、それは取ってつけたセリフみたいもので、ちゃんと堂々と好きと言った記憶はない。

慎『....不安なんだよ、あいつんとこ行っちゃうんじゃないかとか、俺よりあいつのことが好きなんじゃないかとか。 Aの送る目線も俺だけじゃない。あいつのこと、気にしてんだなって俺でもわかる』

「......っ」

慎『恋愛感情なのか友情の方の感情なのか知らないけど、あいつに対して何かしら思ってることあるんでしょ？』

.....慎くんには叶わないな。

私が思ってたこと全部言い当ててくる。

でも、言えないよ。

まだ自分でもよく分からないこの気持ちを、誰かに伝えることでまた誰かが傷つくかもしれない。

これ以上半端な気持ちで向き合いたくないから。

「....なにもないよ」

慎『嘘。何か思ってること絶対ある』

「なにもないってば」

慎『.....俺には、言えないこと？』

「言えないもなにも、言うことなんてないもん」

慎『...っとに頑固だな』

「......っ」

慎『すぐ溜め込む癖あんだから、溜め込みそうになっらその時は絶対言って。今はどんだけ攻めても言いそうにないし』

こういう慎くんの優しさにはほんとに何度助けられたか。

感謝してもしきれない。

ごめんね慎くん、今回は私の我儘を聞いてほしい。

「ありがとう」

でも今は本当に言うことなにもないからね、って念押ししたら分かったって、って呆れ半分で私の頭をくしゃっと撫でた。

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