ドSの王子様 special 《川村壱馬》

愚問 ページ19

Aside






先ほどから壱馬さんが甘々なんです。



壱馬の部屋に戻って





「メイドなんで部屋片付けます！」





本職を思い出し、部屋の片付けをしようとしたら





壱『...いい、まだいいから、離れんとって』





後ろから抱きしめられ身動きがとれず。


私の肩に頭をスリスリしながら、抱きしめる力を強くする。




「でも、私一応メイドなんで....」


壱『....俺から離れたいん？』


「いや、そういう訳じゃ...」


壱『じゃあ後でもええやろ』





結局押しに負けて掃除できませんでした。


その代わりに、壱馬さんがずっと引っ付いていて大変なんです。


私が歩くと、そのまま引っ付きながら一緒に歩いてくるし、携帯を見ると



壱『携帯よりも俺の事みてや』



って言って携帯没収してきたり、とにかく絶賛赤ちゃん状態で大変大変。




構ってあげないと


壱『なあ、なあ、なんで無視するん？ 嫌いになったん？ Aに嫌われるとかほんまに無理やねんけど死んでもいい』




いや、大袈裟だって。


でもこんなこと言われちゃうとさすがに私も壱馬に弱いから



「ごめんごめん、嫌いじゃないから、ね？」




そう言うと壱馬はニコーって満面の笑みを浮かべて私を見る。






壱『Aがいなくなったら俺なんもなくなるから。 離れんとってな』


「壱馬も、私から離れないでね」


壱『俺が離れるわけないやろ。 そんなん愚問やわ』









.









好き、好き。


こんなにキュンキュンさせてるの、壱馬は気づいてるだろうか。


好きが募って、また好きになって。


気づけば壱馬のことばっかり考えてるんだよ。


きっと、壱馬が思ってるより私は壱馬のことが好き。


大好きだよ。









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