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「こんな高いところまでくるんだ」
もう俺の胸の内はその時バクバクで。
彼女の言葉を聞き漏らさないようにするのが精一杯。
廉「もうすぐ頂上やで」
「あ、本当だ。人が凄く小さく見える」
廉「....なあ、前にさ。話してくれたやん。」
「ん？何が？」
廉「......ジンのこと。」
あーっと微笑んだ彼女。
名前出すだけでそんなに喜ぶなや。
せやけどこうやって
フニャっと笑う彼女が好きだ。
廉「俺、Aのこと好きなんや」
俺は反射的に告白していた。
こんな風に言うつもりじゃなかった。
本当はもっとカッコつけて......
「......私勇太のこと好きだよ。」
その瞬間、俺は気づいた。
彼女に遠回しに降られたのだと。
心のどこかで成功するのではないかと
自身があった。だからこそ今すぐ逃げ出したかった。
廉「....っそーやんな！
ごめんな、変なこと言って。
今の忘れて。ほんまごめん」
俺は少し食い気味に言葉を続けた。
彼女からの慰めの言葉など聞きたくなかった。
「ねー廉きいて！」
廉「や、ほんまに俺おかしいわ。
ごめんな。俺のこととか気にせんで
ジンと....幸せにな。」
うまく笑えてるだろうか。
彼女は今どんな顔をしているだろうか。
あかん、涙出そう。
「だから！あれ、違った。」
廉「へ？」
「私、勇太のこと好きなわけじゃなかった。
いや、勇太のことは好きなんだけど....。
なんていうか、私が勇太しか知らなかったみたいな？
男としてじゃなくて、勇太は人として好きなの！」
へ？へ？
「それにね、私が勇太の事恋愛対象で好きなら
今日、廉のとこ来てない。多分。」
少し恥じらいながら耳を真っ赤にする彼女。
うそ....やんな。
ジンのこと好きなわけやないって....。
「私も、廉のこと好きだよ。これあげる」
俺の手の中にはさっき彼女が売店で可愛いと言っていたキーホルダー。
「今日はありがとう。
楽しかったから記念にと思って。」
さっきから耳を触ったり、
膝の上で手をゆさゆさしたり。
俺に恥じらってくれてるんよな？
廉「大事にする。」
ほぼ無意識で、俺は彼女を包み込んでいた。
廉「これも、Aのことも。」
この日のことは一生忘れないと思う。
何年経ったって絶対に.......。
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ぴ(プロフ) - やばいヤツですね。見つけてしまったこのかなんとも言えな感覚は久しぶりで嬉しいです。深くて深くてまるで溺れるナイフの進化版を読んでいるようです。ラストスパート頑張って下さい。楽しみにしています。 (2017年7月20日 1時) (
レス) id: 4eec252e97 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 更新楽しみに待ってます！占ツクで一番好きな作品です！ (2017年6月28日 23時) (レス) id: 0e9f8935cb (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 更新楽しみに待ってました！2人が思い合っているのに2人の関係性に読んでいて切なく泣きそうになります。紫耀くん、廉くんどちらとも結ばれて欲しいのが本音ですが、最後にどちらを選ぶのか凄く気になります！大好きな作品なので時間がある時に何回も読み返してます^^ (2017年5月17日 1時) (レス) id: 90116ced49 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - はじめまして。この作品の1つ目はありますか？素敵な作品なので読みたいです！宜しくお願い致します。 (2017年4月23日 10時) (レス) id: 87b7aec49a (このIDを非表示/違反報告)
せなー(プロフ) - 初コメ失礼致します。久しぶりに好きな作風の作品に出会い、更新分まで読ませていただきました。離れなければいけない恋、なんとも切なくて素敵です。これからも更新頑張ってください。 (2017年4月6日 16時) (レス) id: 3c581ac854 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふる
| 作者ホームページ：http://twitter.com/ei_njo
作成日時：2017年4月3日 20時
