Emotion3

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廉「忘れちゃいたいのに、実行委員やるん？」

「.....そうなんだよね。」

忘れたいというのは単なる
彼女の強がりのように聞こえた。
何だか俺にはそれが気に入らなかった。


廉「奢ったる。どれが良い」

「え？いいの？いちごミルクがいい。」

廉「ほら。」

俺がいちごみるくを差し出すと
彼女は少し躊躇いがちに受け取った。


「永瀬君って本当に優しいね。」

廉「別に.....優しくしたい相手には優しくするだけ。相手なんて限られてるし。」

勇気を出して言ってみた。
ジンばっかの彼女の心に割り込みたくて。
俺の気持ちを少しでも伝えたくて。


「そーゆうこと言うと、
女の子は勘違いしちゃうよ。」

彼女は冗談めかしてニコッと笑った。
勘違い.....やないし。

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廉「なー。その永瀬君ってのやめない？」

「じゃあなんて呼べばいいの。廉君？」

廉「廉でええよ。」

購買からの帰り道も彼女の様子は何１つ変わらずだった。さっき俺が言った言葉も何も気にしてないらしい。

玲「あっ！廉じゃーん！」

彼女の隣を歩くことを密かに楽しんでいた時
前方から面倒くさい男が現れる。
長妻は違うクラスだけど一度ジンを通して話をしてから仲良く？なった奴。


玲「えっ？廉って結城さんと付き合ってんの？」

「違うよ」

否定する言葉を探しているうちに
彼女に先を越されてしまった。

玲「なーんだ！びっくりした！
2人で歩いてるからさ！てっきりね。」

「ふふっ、カップルに見える？」

彼女はいたずらそうに笑って
俺の右手をとって彼女の左手と絡ませた。

やばい.....無意識なんやろうけど....さ。


玲「や、見えない！結城さんはみんなのアイドルだからね！」


そういえばやけど、
長妻は結城さんのこと知ってるんだな。
やっぱり、学校内でも評判が高いんかも。


「なにそれー。私にそんな異名ありませーん」

いつの間にか繋がれた手は離れていて
俺はただ彼女の柔らかい手を思い出しては
むずむずして、舞い上がっていた。


「何してんの廉。行こ？」

ほらそうやって。
名前を呼んでくれただけなのに
こんなに身体が熱くなるのは何でやろうか。

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