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ぼーっと黒板を眺めていると
背中をツンツンと突かれた。

「早く回してよ」

廉「あ、悪い。」

席替えで俺は結城さんの前の席になった。
なんだか結城さんと関わり始めてタイムリーな出来事だったから、もやもやしていた自分がいた。

.


「ねえ、永瀬君。今日の放課後集まりあるって私言ったっけ?」

廉「初めて聞いたわ」

休み時間、前の席から身体をグルンと回して
俺の方を向いて話す彼女。
もうこの時点で俺には淡い恋心があったのかもしれへん。


神「今日は応援団と実行委員合同打ち合わせだからな。」

「あ、勇太。」

結城さんの机に手をついてしゃがみこむジン。
あからさまに嬉しそうにする彼女。
うん.......まあ。
俺には入る余地もなさそうやし。
俺は静かに立ち上がり教室を出ようとする。


「え!永瀬君どこ行くの?」

廉「こーばい」

「私も行く!!」

予想外。
ジンを置いてっていいのかよ。ジンのことが好きなくせに。
それでも俺は彼女がついてくるといって嫌な気がしなかったし、正直嬉しかった。
少しだけ.....優越感。



「はっー!危なかったあ」

廉「何が?」

「勇太だよ。いきなり来たからびっくりした」

なんだよ...勇太勇太って。
仮にも今、隣歩いとるのは他の男なんやから。

廉「嬉しいんやないの?
ジンのこと好きなんやから。」

少し不貞腐れたように言ってみる。
俺もまだまだ子供やなあと思った。

「うーん。嬉しいわけじゃないな。
私は早く忘れちゃいたいから!」

廉「もしかして.....元彼?」

「そー!」

なんだか変な勘違いをしていた。
そうか。2人はすでに終わっているのか...。
そうわかると俺は何故だか嬉しくなった。

「勇太とは幼馴染なんだー。
なんとなく付き合い始めてなんとなく好きだなって。」

廉「なんとなく...」

「そう、なんとなく。
だから勇太私に呆れて私の事振ったんだよ。」

何だか難しい話だなと思った。
ジンの様子を見ている限り、べつに彼女のことが嫌いとかそんな風にも見えなかったし。
寧ろジンも彼女のことを想ってるのかと思ったし。


「ちゃんと、好きだったんだけどね。」


“ 好き ”


そのワードに俺の胸の音が
どんどん早くなっていくのを感じた。
俺に言われた訳でもないのに。
彼女が余りにも優しく微笑んでそう言ったから
思わず勘違いしそうになった。


そして自分の気持ちに気づいた。

ああ、俺この子が好きやって。

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設定タグ:平野紫耀 , 永瀬廉 , 神宮寺勇太   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - やばいヤツですね。見つけてしまったこのかなんとも言えな感覚は久しぶりで嬉しいです。深くて深くてまるで溺れるナイフの進化版を読んでいるようです。ラストスパート頑張って下さい。楽しみにしています。 (2017年7月20日 1時) (レス) id: 4eec252e97 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!占ツクで一番好きな作品です! (2017年6月28日 23時) (レス) id: 0e9f8935cb (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - 更新楽しみに待ってました!2人が思い合っているのに2人の関係性に読んでいて切なく泣きそうになります。紫耀くん、廉くんどちらとも結ばれて欲しいのが本音ですが、最後にどちらを選ぶのか凄く気になります!大好きな作品なので時間がある時に何回も読み返してます^^ (2017年5月17日 1時) (レス) id: 90116ced49 (このIDを非表示/違反報告)
ちさと(プロフ) - はじめまして。この作品の1つ目はありますか?素敵な作品なので読みたいです!宜しくお願い致します。 (2017年4月23日 10時) (レス) id: 87b7aec49a (このIDを非表示/違反報告)
せなー(プロフ) - 初コメ失礼致します。久しぶりに好きな作風の作品に出会い、更新分まで読ませていただきました。離れなければいけない恋、なんとも切なくて素敵です。これからも更新頑張ってください。 (2017年4月6日 16時) (レス) id: 3c581ac854 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふる | 作者ホームページ:http://twitter.com/ei_njo  
作成日時:2017年4月3日 20時

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