検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:4,218 hit

ページ4

「うふふふ、懐かしいやろ」





その晃一の鼻には、大きくて真っ赤な丸が付いていた。








『あの時の、ピエロ?』





「そう!羽奈ちゃんが元気ない時にだけ現れるピエロやで」





『え?』





「晃一くんが、あーあ、羽奈ちゃんに元気出して欲しいなぁって思た時に、その声が届いて現れてくれんねん」





『ふふ、何それ。笑』









晃一は自分の鼻から赤丸を取り、それを羽奈の鼻にくっ付けた。









「ふはっ、可愛い」









こーちゃんの笑顔は、いつ見ても元気が出る。









「大丈夫。俺がついてるからな」






頰を包み込んだその手は、大きくて温かかった。









晃一はゆっくり顔を近づけていく。





これから何が起こるのか、羽奈は勘付いて思わず目を閉じた。







「あっ!」




という声と共に、遠ざかった気配。



ふと目を開けると、ニヤッと笑った晃一の顔。そして、その顔の下から伸びて来た手が、鼻に付いていた赤丸を取った。






と、同時に、視界から晃一の顔が消え、唇に違和感と温かみを感じた。





一瞬だった。







目を閉じる暇もないほどに。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
68人がお気に入り
設定タグ:超特急 , コーイチ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:0号車さん | 作成日時:2017年6月21日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。