一夜だけ一緒に

貴方の声が ページ49

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家から歩いて数分後、公園に着いたけど特に何もない



慎くんは何のために私を公園まで行かせたんだろう




公園には何もないし、

人気もない

ただ街灯があって、遊具やベンチとかがその街灯に照らされてるだけ





ベンチに座って、公園を見渡してもやっぱり何もない


逆に薄気味悪い






『あ、スマホ忘れた.....』




暇潰しにスマホでも触ろうと思ったけど、スマホを家に忘れたっぽい


他に暇潰しが出来るようなものは何も持ってない





『何しとけばいいの？てか、何分たったの？』



誰も答えるはずのない空間に１人質問しても、やっぱりわからない





公園の時計台を見ると今は午後8時50分くらい


空気がひんやりしてて、「これ以上待ってられない」そう思って帰ろうかなって思う





『よし、帰ろっかな.....』




ベンチを立って




そのまま歩いて




そのまま家に向かって




普通に帰る






予定だったのに









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「＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿A！！！！」





遠くで私を呼ぶ声が聞こえる




会いたくて会いたくて仕方なくて、

でも会いたくなくて、

心が落ち着く声で、

本当に愛しい人の声が

大好きな人の声が






聞こえる

それだけで涙が溢れてくる




その声は、その走る足音は


だんだん大きくなって近づいてくる





無視して帰ろうかとも思うけど、足が動かなくて


やっぱり、私の隣には貴方以外の誰でもないね







壱馬



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