辛かったよね ページ35
慎 side
壱馬「じゃあ、行こか」
慎「はい」
これから、壱馬の過去の話を聞く
過去って言ってもそんなに昔じゃないけど
店員「いらっしゃいませー」
訪れたのは個室のある焼き肉屋さん
まず何を話したらいいか分からない
慎「えっと、レモンサワーでいいですか?」
壱馬「あぁ、うん」
壱馬さんも緊張してるのか、すごく上の空っていうか、ぎこちない会話
店員「お待たせしましたー、レモンサワーです」
慎「どうも」
店員「では、ごゆっくりどうぞ」
店員さんが退室すると一気に重くなる空気
いつもは楽しくて賑やかな焼き肉屋さんだけど、今は静寂に包まれて気まずい
お互い、一言も発さないまま、どんどん時間が過ぎていく
そりゃそうだよな、壱馬さん、3ヶ月前から別人のように人が変わった
壱馬さんの好きな話をしても愛想笑い
壱馬さんをご飯に誘っても断られるし
壱馬さんにどれだけ話しても「うん」とか「あぁ」としか言わない
そして何より、土曜日に壱馬さんを見るとすごく悲しそう
そんな壱馬さんに、いきなり教えてくれなんて頼んだ俺を殴りたい
でも、壱馬さんの気持ちを軽くするためにも、ここは俺から言ったほうがいいのかもしれない
慎「...........壱馬さん、何があったか言えたりしますか?」
壱馬「......................慎は臣さんって知ってる?」
慎「え、はい」
壱馬「俺は、その臣さんの彼女と...........浮気してた」
慎「浮気.....」
壱馬「名前はAって言うんやけど、毎週土曜日が俺らの会う日だった。で、俺が誕生日プレゼントにナマでヤろって言って、ヤった。それで、その3ヶ月ぐらいしてから、Aが妊娠したから別れてって言ってきて、追いかけようと思ったけど、追いかけたらアカンなって思って、それっきりあってない。悪いのは俺やのに、いつまでひきずってんねんって感じやんな?俺なんてただの浮気相手なのに。こんな俺、ひいた?」
衝撃的な内容を表情ひとつ変えずに、つらつらと一点を見つめて話す壱馬さん
でも、その目は涙でびしょ濡れ
慎「ひいてません。むしろ、スゴいと思います。」
俺の言葉に驚いたのか、目を見開く壱馬さん
慎「同情に聞こえるかもしれないですけど、そんな辛いことを誰にも打ち明けずに一人で抱えてた壱馬さんはすごいです。ヤバいです。それに、浮気相手だろうがなんだろうが、俺は好きならそれでいいと思います。」
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ぴーゆい(プロフ) - 片寄みゆなさん» 素敵だなんて.......!!まだまだです!! (2019年3月12日 20時) (レス) id: ce51d072e7 (このIDを非表示/違反報告)
片寄みゆな(プロフ) - ぴーゆいさん» いえいえ!こちらこそ素敵な作品をありがとうございます! (2019年3月12日 15時) (レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
ぴーゆい(プロフ) - 片寄みゆなさん» ありがとうございます!めっちゃうれしいです!!更新頑張ります!!! (2019年3月11日 7時) (レス) id: ce51d072e7 (このIDを非表示/違反報告)
片寄みゆな(プロフ) - お話作るのすごい上手ですね!更新頑張ってください! (2019年3月11日 4時) (レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
ぴーゆい(プロフ) - ゆーみさん» コメントありがとうございます!!がんばります!待っててください♪ (2019年2月13日 21時) (レス) id: ce51d072e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴーゆい | 作成日時:2018年12月27日 22時