月末の彼氏

怪我 ページ27

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"シュートシュート！！"


"パス！！"


"ナイッシュー！！"






バスケの試合中､体育館に広がる歓声。


元バスケ部の私はこういう体育の試合を見てると「なんでシュートしないんだよ」「パスするとこでしょ」
とか、いろんな不満が溢れる。




ふと男子の試合を見てみると、ちょうど北人のチームと壱馬のチームが試合してる。




あ、北人シュート決めた。さすが



あ、壱馬が相手抜いてる。格好いい



あ、北人をリバウンド取った。さすが



あ、壱馬がパスカットしてる。格好いい





男子の試合では北人と壱馬が大活躍らしい。


やっぱり北人が断トツ上手だけど、目で追ってるのは壱馬。




汗でちょっと濡れてる壱馬の髪が壱馬の目にかかりかけてて色っぽい。

昨日のほうが色っぽかったけど。








目を瞑れば思い出す。


壱馬の表情､声、手付きが。


全てがよみがえってくる。








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「＿＿＿＿＿＿壱馬っ！！！！」




誰かが焦ったように壱馬を呼ぶ声が聞こえて、慌てて目を開けてステージからおりる。


男子の使ってる方のコートを見ると､１人倒れてる。









あれは、壱馬だ。

間違いなく壱馬。間違えるわけない。




な、にが､あったの＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿？



頭の中はパニックで、周りの音も上手く聞こえない。




どんどん壱馬に集まる人だかり。野次馬。


私は、ここから動けない。



足に接着剤がついたみたいに動けない。




先生「＿＿＿＿＿＿＿ーぃ！ぉーい！白崎！！」


『あ、はい！』


先生「川村を保健室まで運んでやってくれ。１人じゃ無理だろうから吉野､お前もいけ。」


北人「はい！」


『あ、はい.....』




何があったかわからないけど、


とりあえず､頭が追い付かない。




壱馬､大丈夫だよね？


壱馬､死なないよね？


壱馬､起きるよね？





何でだろう､すっごい鼓動が激しい。


苦しい。





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