正反対の私と彼と

前髪 ページ9

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『おはよ、お兄ちゃん』


大樹「あっおはよ！もうすぐ朝ごはんできるよ！」



朝、制服に着替えてリビングに行くと朝ごはんを作っている兄



大樹「よし、Aー！味噌汁運んで！」


『はーい』



物静かな私とは違って、朝から騒がしい兄


大樹「じゃあ、いただきまーす！」

『いただきます』


大樹「あっ、前髪可愛いじゃん！」



昨日、吉野くんに言われたように前髪を上げてみた


それを正面に座ったことでやっと気づいた兄


大樹「どうした？いきなり」


『うん、まあ、いろいろあって』


大樹「そっか！まあ可愛いからいいけど！」



あんまり噛み合ってない会話だけど、お兄ちゃんだからいいかな







『ごちそうさまでした』




そう言って歯磨きをしに洗面所へ









洗面所の鏡に移る自分にどこか違和感を感じる


前髪をあげただけなのに


『あっ時間』


急いで支度をして家を出る



『いってきまーす』

大樹「いってらはーい！」



今歯磨きをしている兄に見送られながら登校すると、だんだん見えてる学校





ガラガラっとドアを開けて教室に入ると、相変わらず私の席の4つ前に群がる人


佳奈「おはよ！あっ！前髪！」

真奈美「おはよ！やっぱ可愛いじゃん！」


『おはよ笑ちょっとあげてみたんだ』



佳奈「ちょっと北ちゃん読んでみる？」


真奈美「あっちょうどいるよ！北ちゃーん！」


『えっ、えっあの』



また勝手に進んでいく話を聞くのに精一杯の私



北人「何ー！って、えっ！？Aちゃん！？どうしよ！超可愛い！！ちょっ、写真撮らして」



そう言って、許可なしに私の写真を撮りだす吉野くん


そんなに大きな声だと教室中に聞こえてしまう


もちろん、川村くんにも





もう少し、声が小さくても聞こえるのに...........









思いきってあげてみた前髪に


放課後、川村くんは気づくのかな？

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