▼RYOTA side. ページ30
.
「そういや、Aと出掛けたりしてるん？」
「あー、いや。中々どっか行くとか出来てないなかな。」
「せやけどもう半年やん。せめて半年記念日くらいはやってやりたいんちゃうん？」
「そう、なんだよなー…。」
ボイトレの最中、龍友くんからそう話を振られた。
これといって特に恋人同士になってからの進展もないまま半年。
特に不満もないからここまで来てしまって、付き合う前とそう変わらない関係だ。
「で、どこまでいったん？」
「え、なにが？」
「何がってお前、あれしかないやんけ。もうとっくに済ましてるんか。」
「…はっ！？ちょっと何言うてんの、龍友くん、やめてや。」
「んな大きい声出すなよ、ビビるわ。え、もしかして何もないとか言わんよな。」
「…。」
「…うっそ、まじで？」
もちろんそういう気がないわけやなかったけど、なんか踏み出す勇気はなくて。
だって嫌やったらどうしようとか思うし、それにいざそうなったら、優しくゆっくり進めていく自信がない。
そんな器用じゃないし、抑えらんなくなりそうで怖い。
「めっちゃ大事にしてるってわけか。」
「まあ、それもそうやけど。実際なんか、俺多分自分からはいけそうにない、かも。」
「いやいや、それはあかんやろ。だってAからなんかありえへんやん。そこは涼太からいかんと。」
「分かっとるけど…。」
実際、俺にとってはそんな簡単な問題じゃない。
だけどまあ、俺だって年頃やから、Aと部屋で二人でいると、そうしたい時だってある。
でも一緒にいた時間が長すぎて、変に手を出せないっていうが正直な気持ちだった。
「まあ、別にそれが全てやないしな。せやけどこないだなんか雑誌に書いてあったで。意外と男よりも、女の方がそういう展開待っとるんやって。」
「そう、なんや。Aの方が…。」
「たまにはちょっと雰囲気変えてみたらええんちゃう？旅行とか。」
「けどさ、流石に二人で旅行とか大丈夫かなって。」
「ほんならさ、ちょうど来週あそこ行くやん、GENE高収録で。二人で一日前乗りしたらええやん。」
確かに、龍友くん頭良いわ。
温泉地だし、そこまで人目にはつかない。
半年記念日を迎えるのも丁度その日だし、そのお祝いにはもってこいだ。
その時に、出来たら、先に進みたい。
とりあえずもう日にちもないから、俺は前乗りで泊まれそうな旅館を調べてAに連絡することにした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 225人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
emry(プロフ) - こじゃるさん» こじゃるさん、ありがとうございます！亀更新となってしまうこともありましたが、ラストスパート頑張ります！ (2018年5月13日 22時) (
レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新ありがとうございます。無事結ばれて良かったです(^^)またまた更新頑張って下さい。 (2018年5月13日 20時) (レス) id: e03f9b276d (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新ありがとうございます。続きが気になって仕方がない(^^)頑張って下さい(●´ω｀●) (2018年5月10日 19時) (レス) id: 27c9203e2a (このIDを非表示/違反報告)
emry(プロフ) - こじゃるさん» こじゃるさん、いつもありがとうございます！お待たせして申し訳ありませんm(_ _)mまた是非楽しんでご覧ください！ (2018年5月9日 0時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
emry(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます。更新お待たせいたしました。 (2018年5月9日 0時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：emry | 作成日時：2018年4月5日 22時
