▼REO side. ページ17
.
今一番の悩みは？と雑誌の取材で聞かれた。
んー、と悩みながら横目でAを見た。
いつもと同じ様に呑気に応えてる姿を見て、俺の唯一の悩みはお前なんだけど、と心の中で呟く。
多分、そろそろこの気持ちに区切りをつけなきゃいけない頃だと思う。
いい人でいる柄でもないのに、Aの事になるとどうしてもそうなってしまう。
『ねえねえ、玲於って好きな人いるの？』
「…は？え、何急に。」
『あ、ううん。いるのかなーって思って。』
「いるって言ったら？」
『え！そうなの？誰？この業界の人？』
帰りの車の中で急にそんな事を聞いてきたA。
この前あんな事を言っていたから、ちょっとは落ち込むかなって思ったけど、安定の反応。
期待はしてなかったし、逆にいつも通りでほっとした部分もあった。
「嘘、いねーよ。お前はどうすんの？涼太くんに言わないの？」
『言おうかなって、思ってる。でも中々タイミングがねー…。』
「タイミングって、同じマンション住んでんだしいくらでもあんだろ。」
『そうだけど…。もしダメだったらどうしようって思うとさ、言い出せない。』
100%大丈夫だよって言ってやりたいけど、流石にそこまで口出しは出来ない。
言わなきゃ伝わんねえよって、自分を棚に上げて言う俺自身にもすごく響く言葉だった。
「この前さ、変な事言ってたじゃん。その、俺が優しいからどうとか。あれ何？」
『ああ、うん。なんかさ、いつも何かあると助けてくれるのって玲於だなって思って。涼太の事を好きなのに、玲於の存在が大きくて訳わかんなくなっちゃってさ。でももう大丈夫！』
「…あっそ。お前単純過ぎ。優しくされたからって好きだと勘違いするとかガキかよ。」
『うるさいなー。どうせガキですよ。』
「だって俺達が付き合うとか、想像出来る？」
『…いや、全然出来ない。だって玲於は親友って感じだもん。あ、心友かな、そっちの方がしっくりくる。』
馬鹿正直者。
俺は出来るよ、一方通行だけど。
でも、このままでいられるならその方がいい。
喧嘩したって文句言ったって、またすぐに元通りに戻れる。
玲於聞いてって、すぐ泣きついてくるAと、変わらない関係でいられるならこのままの方がいい。
「やっと解放されんのか、Aの悩みから。」
『あ、寂しいんでしょー。』
「全然。」
寂しくたってAが笑っていてくれればいいよ。
俺はずっと、Aの心友でい続けるから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 225人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
emry(プロフ) - こじゃるさん» こじゃるさん、ありがとうございます！亀更新となってしまうこともありましたが、ラストスパート頑張ります！ (2018年5月13日 22時) (
レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新ありがとうございます。無事結ばれて良かったです(^^)またまた更新頑張って下さい。 (2018年5月13日 20時) (レス) id: e03f9b276d (このIDを非表示/違反報告)
こじゃる(プロフ) - 更新ありがとうございます。続きが気になって仕方がない(^^)頑張って下さい(●´ω｀●) (2018年5月10日 19時) (レス) id: 27c9203e2a (このIDを非表示/違反報告)
emry(プロフ) - こじゃるさん» こじゃるさん、いつもありがとうございます！お待たせして申し訳ありませんm(_ _)mまた是非楽しんでご覧ください！ (2018年5月9日 0時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
emry(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます。更新お待たせいたしました。 (2018年5月9日 0時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：emry | 作成日時：2018年4月5日 22時
