湧き上がる独占欲 ページ14
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まさか同じお店にいたなんて思わなかった。
話をされるだけで嫌だったのに、よりによって遭遇するなんて。
「ところでさ、2人って元恋人ってことだよね?」
「あー…、まあ、そうっすね。」
「あかりちゃんって、涼太のどこが好きだったの?」
みんなは、根掘り葉掘り2人に食い気味で色々と聞き始めた。
私の気持ちを知らないんだから、仕方ない。
私だってこれが涼太意外なら、面白がって聞いてたと思う。
けど、そんな話聞きたくない。
涼太くんなんて呼ばないで。
あかりなんて呼ばないでよ。
隣に座らないで、話さないで、触らないで。
今の私は独占欲の塊。
「涼太くん、昔も凄く優しくて。ちょっと過保護なんじゃって思うくらい、優しかったんです。」
「へえー!!え、じゃあ涼太は?」
「え?俺はー…、」
『ごめん、ちょっとトイレ、』
もう耐えられない。泣いてしまいそうで。
涼太がその子のどこが好きかなんて聞きたくない。
涼太が答えてしまう前に、急いで部屋を飛び出した。
『流石に戻んなきゃな…、』
とりあえずちょっと気持ち悪かったって言えばいいけど、あんまり長過ぎても不自然だよね。
「じゃあさ、もう2人ともより戻しちゃえばいいじゃん!」
「それは…、涼太くんが迷惑ですよ!」
「え、じゃあ涼太がOKしたらええってこと?」
『っ、!』
部屋の前まで戻ってきたはいいが、中から聞こえてくる話はどんどん膨れ上がってて。少し開いた襖の奥には丁度、涼太とあかりさんの後ろ姿が見える。
隼の煽りにあかりさんの頬が少し赤らんだのが分かった。
この中に戻る勇気はなかった。
『…もう、無理っ、』
「何やってんだよ、全く。」
『え…、玲於…。』
「無理すんなよ。…俺、分かってっから。」
溢れ出す涙を隠すため顔を両手で覆ろうとした時、後ろから腕を引かれた。
私の顔を見ると、玲於は少し悲しそうに眉を下げ、私の頭を自分の胸に軽く押し付け、そう言った。
『れお…っ、わたし、』
「いいから、今は。泣きたいだけ泣けよ。」
なんでとか、どうしてとかそんな事はもう考えられなくて、少し早めに聞こえる玲於の心臓の音を感じながら、私は身を委ね、泣いた。
「え…、A、どうしたの?」
不意に聞こえたその声は、涼太のもので。けどこんな顔を見せることも出来ないし、私は何も言えずに玲於の胸に顔を埋めたまま、動けずにいた。
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emry(プロフ) - 結架さん» たくさんのコメントありがとうございます。投稿する前に気付けず、申し訳ありません。助かりました!訂正させていただきますので、今後とも宜しくお願い致します! (2018年3月16日 0時) (レス) id: ed62ca3d67 (このIDを非表示/違反報告)
結架 - こんばんは(*^^*) 沢山の直しを言ってしまいすみませんでした(>_<) (2018年3月15日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
結架 - またまた続けてのコメントですみません(・_・;) 最初のコメントとその次のコメントとまた次の コメントの名前が間違っていました。 琉架ではなく正しくは結架でした。 すみません(>_<) (2018年3月15日 1時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
琉架 - また続けてのコメントですみません...。 思いがけない再会のここの台詞 そう言えば、彼女も○○←名前と涼太とのあの一見を目撃したうちの一人だった。 これ正しくは一件ではないんでしょうか? (2018年3月15日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
琉架 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 各物語の題名で思いがけない再開これ正しくは 再会ではないんでしょうか? (2018年3月15日 0時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:emry | 作成日時:2017年3月14日 21時