▼_picky eater ページ3
side⇄you
地方での撮影に臨んでいた玲於が1週間ぶりに家に帰ってきた日。
夕食の準備を終えて席に着くと、案の定嫌そうな顔でこちらを見つめる彼。
「ブロッコリーやだ。」
『ちゃんと食べなきゃ。』
「こんな" 森 "みたいなの食べれない。」
何故かブロッコリーを" 森 "と表現する玲於の独特の感性に笑いを堪えながら。
子供のように駄々をこねる彼と、断固とした姿勢を貫く私。
『栄養のためだよ。』
「他の野菜は食べるから。」
『ダメ、ブロッコリーも食べて。』
「俺が嫌いなの知ってんじゃん。」
『わがまま言わないの。』
玲於のお皿に入っているブロッコリーをフォークで刺すと少し明るくなる彼の顔。
「食べてくれん『玲於が食べるの。』
「なんだよ...」
『はい、あーん。』
ブロッコリーを口元へ運ぶと嫌々ながらももぐもぐし始めるのが可愛くて。
子供じゃないんだから自分で食べて、なんて言ったらまた拗ねて口を尖らせるだろうし。
「昔もこんなことあった。」
『え？』
「付き合った日、Aの家で。」
私と玲於が付き合いだした日。
あの時は玲於の方から食べさせてとフォークを差し出してきたんだっけ。
『ちっとも変わらないね。』
「ちゃんと食べたじゃん。」
『お子様なんだから。』
やっぱり少し拗ねたような表情の彼が可愛くて。
食べ終えたお皿を洗い始めた玲於の後ろに立って、彼を抱きしめる。
『ね、玲於。』
「ん？」
『やっぱり、ずっとそのままでいい。』
「何それ。」
玲於がお子様なのは今に始まったことでもないし。
駄々をこねる彼が可愛くて、嫌いなブロッコリーを出してしまうのは内緒だけど。
『あーんしてあげる、ずっと。』
「出さないって選択肢はないわけ？」
『ん、それはない。』
「いいよ別に、Aが食べさしてくれんなら何だって食べられるし。」
そう言いながらクルリと振り返って私の唇を奪った玲於。
ニヤリとした表情は本当に子供みたいで。
「あと、ご褒美も。」
.
▼_wedding anniversary→←▼_from mikko
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 483人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みっこ(プロフ) - りなさん» りなさん、コメントありがとうございます！ぜひぜひ楽しんで下さい＼(^ω^)／ (2018年11月3日 19時) (
レス) id: 999c6b0b38 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - またこの2人が見れるの嬉しいです(^^) (2018年11月3日 14時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みっこ | 作成日時：2018年11月3日 11時
