No.044 敗北 ページ44
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ゴン、キルア、ビスケとかいうガキ3人組に、俺たちは見事にしてやられたというわけだ
初めてのんびり見上げたグリードアイランドの空が信じられないくらい青くて、いつもかけている薄い色のサングラスがないから余計に眩しくて仕方がなかった
ここに来るまで何年かかっただろうか
欲しいものを手に入れるために俺たちはここに来たはずなのに、どうしてこんなにたくさんの人を殺すようになってしまったんだろう
ゲームを始める前から、人を殺すことに躊躇はなかった
だが、それも殺人を悪いこととして罰するような環境で育ってこなかったせいなのだとしたら、いままで何も思わずに多くの命をこの手で握り潰してきたことは、俺たちの意志のせいなのか
なんにせよこれまでの人生の結果が、無様にここに転がっている現状だということも、そんなことを今更ぐるぐる考えてしまうほど完全にあいつらに心まで折られているということも、腹立たしい
グリードアイランドをはじめてから、こんなに呑気な時間は初めてだった
成功報酬の500億も無くなって、手に入れなくてはならなかったカードも手元には無く、縛られた状態で空を見上げるしかないなんて、完敗すぎてため息も出ねえ
Aのために勝手にはじめたゲームを、5年も我慢させてこんな結果で終わろうとは
ガキ3人組はグリードアイランドをクリアして、さっさと俺たちを置いて行ってしまった
早く視界から消えてしまえと思っていたが、実際いなくなってしまうとやけに静かで、あいつらに負けたのだという事実が重くのしかかってくるように感じてしまい、どうしようもなく苛立った
となりにサブとバラがいなければ、そのまま舌でも噛みちぎりそうな勢いでイラついていた
周りにいるカスみたいな奴らが抵抗できない俺たちをこの際便乗して殺してしまおうと、いまにも飛びかからんとしている殺気にも、気づいているのに何もできない歯痒さがさらにイラつかせる
きっと両隣にいるふたりも、同じくらい虚無感を抱えて、同じくらい苛立っているのだろう
「ゲンスルー!」
瞬間、遠くから、聴き慣れた柔らかな声が聞こえた
反射的に聞こえた方角に顔を向けて、そのままサブと目があって笑われた
しょうがねえだろう、反応しちまうのは
「ゲンスルー!」
また俺の名前を呼んで、急な展開にうろたえているカスどものあいだを縫って、小柄な少女が姿をあらわした
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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね!ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです! (2020年9月28日 10時) (レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです!!!!ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます!改めて完結お疲れ様です! (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ライ | 作成日時:2020年9月25日 10時