No.017 髪を結んであげる ページ17
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「……手と足だけじゃやだな」
「全部脱ぐか？」
「いいの？」
「いいに決まってんだろ」
ぱあっと嬉しそうに顔をあげたAの頭をくしゃっと撫でてやると、さらに嬉しそうに微笑んだ
もともと足だけつけるためにこんな山奥まで連れてきたわけではないのだから、Aが何をしたいと言っても応えてやるつもりはあったのだ
「ほら、髪くくってやるからあっち向け」
「やった」
Aのふわふわとした長い髪を手ぐしで梳かして、手につけていた細い紐でなんとかおだんごを作ってやる
ゲンスルーがいちばん結ぶのがうまいが、俺もそれほど下手なほうではない
3人のなかでいちばん下手くそなのはバラで、はじめてバラがAの髪を結んだ時なんて、ちゃんと梳かしたのかと疑問になるほど髪がぐっちゃぐちゃすぎてゲンスルーが笑いまくって、ゲンスルーにバカにされたと思ったAが大泣きして、布団に閉じこもってしまって、収拾がつかなくて、とにかく大変なことになったのだ
そんな前のことを考えながらやったが、俺はやっぱり器用なほうらしい
頭のてっぺんになんとか綺麗なおだんごができて、あらわになった細くて白いうなじにそっとキスをしたら、くすぐったそうに肩を上げた
「脱いでいい？」
「ああ。滑るなよ」
ばっさばっさとあまり周りを気にすることなく服を脱いでいくAを見ながら、バラにいまから全部脱ぐぞと言っておくべきだったなと思ったが、まあ、ここに裸のAを置いていくという選択肢はないし、バラなら大丈夫だろう
「服は持っててやるよ」
「ありがと」
俺の前で全裸になっても、Aに恥じらう様子はない
こっちだってAの裸なんか見慣れているから特に慌てるとかはないが、ガキだった頃を思えば成長したなあと感慨深くなるくらいの気持ちはある
服を俺に預けて、透明な泉の中にそーっと入っていくAは、左膝からさきが無くても女神のように見えた
「気持ちいいか？」
「うん。サブも入ろう？」
「俺はいい」
「つれないな」
「誰か来たら全裸で逃げなきゃなんなくなるだろ」
「サブが全裸で逃げるのは別にいいじゃん」
「良くねえな」
「そもそもこんなとこ、誰も来ないよ」
「山奥だから？」
「それもあるけど」
「バラが見張ってるからか？」
「うん。そう」
「バラがやられたらどうすんだ」
「バラ強いもん。大丈夫」
「なに言われても俺は入んねえからな」
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ライ(プロフ) - カナさん» こちらも読んでくださってたんですね！ありがとうございます。楽しんでいただけたみたいでとても嬉しいです！ (2020年9月28日 10時) (
レス) id: 182c279fa9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ(プロフ) - 最期まで読みましたがとっっっても面白かったです！！！！ゲンスルーの作品中々ないので読めて幸せでした。もし続編があったら楽しみにしてます！改めて完結お疲れ様です！ (2020年9月28日 0時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ライ | 作成日時：2020年9月25日 10時
