希望の音2

#55 ページ7

信五side

病室から出て検査室に向かうにつれて
少しずつ足取りが重くなってきたたつ。


先にどういう検査をするか
丁寧に説明した方が良さそうやな


ほんまは早く終わらせてあげたかったから
何も言わないでおこうと思ったんやけど。




「たつ、検査、不安やんな？1回話しよか！」




検査室の隣の部屋で今日はどんな検査をするか話した


血液検査、聴力検査、胸部レントゲン検査…



この前の軽い検査の時
翔が喘息の疑いがあるって言うてたから
それも視野に入れて改めて検査する事にしたんよ




「たつ、頑張れるか？」

忠「…うん、大丈夫」

「よし！ほな最初は血液検査からな？」

雅「たつ君、注射苦手？」

忠「…少し…」

雅「じゃあ利き手、信五に握って貰おうか！」

忠「…はぃ」



たつ、身体強張っとるわ…
まぁ苦手なもんされるのはな…

どないしたら安心出来るやろか…



「たつ、もしたつが良いならギュッてしよか？」

雅「ふふっ笑 ギュッて信五可愛い言葉使うね笑」

「っ別にそこはええやろ(〃ω〃)」

雅「笑笑 良いね！たつ君どう？」

忠「…ぁ、じゃぁ、、その、ぉ願いします…」

雅「ぱぱっとやっちゃうね！」



たつの隣に座って、注射針が見えないように
顔を俺の方に動かしてやって抱きしめた

背中を優しく叩いていると
身体から力が抜け、その瞬間に雅紀が検査を進める



ビクッ
忠「…っ」

「大丈夫やで〜！すぐ終わるからな」



たつが少しでも安心出来る様に声を掛け続ける



雅「はい！たつ君、お疲れ様！頑張ったね！」

「偉いやんか！亮やったら泣き叫んどるよ笑」

雅「亮ちゃん、本当に嫌いだもんね笑」

「たつより年上なのにまだ泣くからな笑」

雅「予防接種の時いつも文句言ってるもんね笑」

忠「…笑笑」



雅「次は聴力検査ね！補聴器外してヘッドホン付けてね！音が聞こえたらこのボタン押してね！検査中の指示は信五が手話で伝えるね」

「補聴器預かるな！」



多分、聴力検査はやった事があるからか
すんなりと終わった



雅「次で今日の検査は最後ね」

「最後は胸部レントゲン検査やで」

雅「上のパジャマ脱いでこの台に乗ってね…息止めて…よし！OK！」



たつの近くで指示を伝えながら
今日の全ての検査が終わった



「お疲れさん！疲れたやろ？笑 病室戻ったらあいつらのお喋りの相手しないとアカンからもっと疲れるな？笑」

雅「横山家って静かな人いないよね笑」

「ほんまやな笑 その内たつも慣れるで笑」

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