7話 ページ9
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『あらお主さんなんざんす?』
「京極屋で働いていた子供衆が…居なくなった」
『それは…本当でありんす?』
「嗚呼…尊の事もあるから、一応桔梗花魁にと…」
『あちきの所には尊しか居んせんからね』
「京極屋の姉妹店も昨日…」
『出来る事はしんすが…
ナニかあれば直ぐに教えてくんなまし』
「嗚呼、支度中済まなかったね」
『いいんでありんす …
ほらぬし達も暗い話はやめてね?』
「はーい…あ、人が集まってきましたよ!」
『ふふ…はいこれ隠れて食べてね』
「っ!!だいすき桔梗花魁!」
「わっちもわっちも!」
『はいはい…ほらもう行きんさい』
と私は禿達を帰し客さんのを待った。
道中が行われている方を見れば何だか嫌な気配。
決定的な証拠が無いからまだ動けないのだけど…
この遊郭に鬼が居そうねぇ。
仕事が終わり次第報告しなければ
そんな事を思っていると1人の客さんが来た。
コンコンッ…
「失礼致します」
来たねぇ…
『どうぞ、通してくんなまし』
「おやぁ…随分と派手に綺麗な花魁だなぁ」
「そうでしょう?京極屋の最高級の花魁
“桔梗花魁”ですから…」
女将さんに連れられているということは初めてのお客様。
そんな事はどうでも良くて…
どうして貴方があちきの目の前にいるんですか?
ちゃんと仕事できるかな…そう思えば
綺麗な手は震えていた
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作者名:月紅 | 作成日時:2022年3月3日 20時