８４〜やっぱり警戒中〜 ページ44
「そろそろ行かねーとな。」
少しの間私を抱きしめていた樹が、私を解放して立ち上がる。
「行こ。」
そう言って、手を差し伸べてくれるから、そのまま手を取って立ち上がる。
手をつないで部屋から出ると、
「…だから、どっから手ぇつないで出てきてんのよ…。」
脱力した優吾の声がした。
階段を下りて食卓に向かうと。
「あ、樹。Aさん。結界の見回り行ったんだって？お疲れさまー。」
すでにテーブルについている阿部さんがいた。
しつこく眉を顰める樹を軽く肘でつついて、こんばんは、とあいさつする。
「卒論のお助けになれば、って思って、資料１冊持ってきた。」
そう言って、阿部さんが本を１冊渡してくれる。
「え、これのためにわざわざ来てくださったんですか？」
阿部さんは、きょとんとした顔をして
「そうだよ？早い方がいいかな、って。」
と当然のように答えてくれる。
「ありがとうございます、食事の後で読みます。」
汚さないようにダイニングテーブルの上に置いて、食卓に向かう。
「食事を済ませたら帰るから、心配しないで、樹。」
意味ありげな笑顔を浮かべる阿部さんに、樹はやっぱり少しムスっとしている。
「俺、別にAさんをみんなから盗っちゃおうとしてるわけじゃないよ？」
くすくす笑いながら続ける阿部さんに、
「そんな心配してるの、樹だけだから！」
そう言ってジェシーが AHAHAHAHA！ と笑う。
「別にそこは心配してねぇから。」
お嬢を蔑ろにしてほしくないだけだわ、そう続けて、樹は私を自分の隣に座らせた。
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月華(プロフ) - 凪さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけて何よりです！引越し先にも是非遊びにいらして下さい(* 'ᵕ' )☆ (2022年10月16日 20時) (
レス) id: 86be01ea37 (このIDを非表示/違反報告)
凪(プロフ) - この作品大好きで、いつも更新楽しみにしてます！！ (2022年10月16日 9時) (レス) id: 789ab475c3 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - おむらいすだいふくさん» こちらではなかなかイチャイチャ要素を持ち込みにくいので、別作品を書き始めてしまいました(笑)こちらでも書けるときには頑張って書きますね。 (2022年10月12日 0時) (レス) id: 1c32e2fa67 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいすだいふく(プロフ) - 月華さん» 更新ありがとうございます！個人的に樹くんとのイチャイチャがもっと見てみたいです！笑 (2022年10月11日 7時) (レス) id: 5efa7bbe3f (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - おむらいすだいふくさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて良かったです。お話はまだまだ続きそうです。ぜひ楽しんでいってください。ありがとうございます！ (2022年10月9日 19時) (レス) id: 1c32e2fa67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2022年9月23日 22時
