今、同じこと思ってた ページ21
＊前作「まだまだ慣れないふたり」の続きです
アウェーの場にひとりでいるっていうのは、なかなかに緊張するものだ。
ＴＱＣがあるから、東大にはさすがに慣れたけれど、早稲田なんてアウェー中のアウェー。
なにしろ、数回しか来たことがない。
たくさんの学生が行き来する中、そろそろ今日のAさんの最後の講義が終わる時間。
門柱にもたれて、あと何分かなー、なんて考えながらスマホを弄っていると。
「あれー！志賀くん！」
聞きなれた声に、思わず顔を上げる。
「山本さん！？」
早稲田は広いし、さらには先進理工学部のキャンパスはここじゃないでしょ！？
「な、どうしたんですか？キャンパス…違いますよね…？」
「ちょっと友だちに会いに来た。志賀くんは？Aちゃんに会いに来たの？」
「ああああああ……ハイ………。」
相変わらずの腹の中になにも持ってなさそうな笑顔で言われてしまえば、素直に頷くしかない。
ねーねーいつからつきあい始めたの、とか根掘り葉掘り聞かれていると、聞きなれた声がした。
「玲太くん！………山本さん！？」
「あ、Aちゃーん！まさか志賀くんに会えるとは思わなくてさー。話し相手になってもらっちゃった！」
今からデート？いーねー！俺もカノジョほしーなー！今度藝大生紹介してよー！あ、時間だー！またねー！
…と、一方的に明るくしゃべり倒して、山本さんは去って行った。
「………嵐のような一瞬だったね。」
と、Aさんは小さく微笑む。ホントだね、と、僕も笑い返して。
「行こうか？」
と、手を差し出せば。
うん、と頷いて手を繋いでくれる。
「ごめんね、寒かったでしょ？」
「ちょっとね。でもそんなに待ってないから。平気。」
夕食にはまだ少し早い時間、近況を報告しあいながらコーヒーを飲む。
二人で書いた記事は好評で、不定期でもいいから連載にしないか、と伊沢さんから打診があった。
そのことでも、どうするかを決めなくちゃいけなかったし、公私ともに話題はつきなかった。
「わぁ、もうこんな時間だ、ごはん行こう、ごはん。」
時計を見ると、ずいぶん時間が経っていた。明日が土曜日でよかった、と思えるくらいの。
カフェのドアを抜けると、外は週末の夜らしいにぎわいだった。
僕たちはやっぱり手を繋いで歩く。
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白黒(プロフ) - 月華さん» 私の書いた話がこんな素敵なお話が作られるきっかけになったのなら質より量で挑む精神も間違ってなかったですね！私も月華さんとこうやってお話できて嬉しいです◎ (2019年3月5日 0時) (
レス) id: b3eb1b48b3 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 白黒さん» いやもう、ホントにガツン！とやられてしまったんです…！白黒さんに出会えたから、このお話ができたと言っても過言ではないほどに好きです（告白）。コメントいただいて少しお近づきになれて、すごく舞い上がってるので…！ (2019年3月4日 23時) (レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 月華さん» わーありがとうございます！そうだったら嬉しいな〜とぼんやり考えていたのですが言いだすのが恥ずかしく言いだせないでいました……笑 (2019年3月4日 22時) (レス) id: b3eb1b48b3 (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 美都さん» ありがとうございます。最後のおまけは、本当に突発的に思いついて書きました。まだまだsgさんブームは去りそうもありません、もうしばらくおつきあいください (2019年3月4日 22時) (レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
月華(プロフ) - 白黒さん» わざわざありがとうございます！ここだけの話ですが、最後に私が書いた大好きなお話と作者様は、白黒さんです（照）。最後の２話分は、私もお気に入りです。二人の混乱ぶりが書いてて楽しかったです。これからもよろしくお願いします。 (2019年3月4日 22時) (レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2019年2月25日 23時
