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ふたりで食事を済ませて、ワインを少し飲んで。
お腹が落ち着いたところで、サンタクロースが登場すると、
子どもたちは大盛り上がりで。
全員がプレゼントをもらったところで、時間はそろそろおねむの時間だ。
両親に連れられて、用意された宿舎へと向かう。
きっと、子どもが寝ついた後で、母親たちは宿舎のラウンジに集まるし、
父親たちはここに戻ってきてまた飲むんだろう。
会場が少し落ち着いた雰囲気になったところで、ジェシーと慎太郎が
俺たちのところにやって来て。
「樹、ちょっといい？」
「ナニ。」
「ちょっと話があるんだけど。」
「だからナニ。」
「ちょ、向こうでいい？」
ジェシーが視線を向けた先には。
「え、」
「…久しぶり、樹。」
「滝沢先生、」
俺が士官学校の生徒だったときの担当教官だった。
「初めまして、お嬢さん。」
「は、初めまして、」
「樹の恋人？」
と俺の方を見てそう聞くので。
「はい。」
と答える。
「滝沢といいます。彼らが士官学校にいたときの担当教官で、今は
士官学校の校長です。」
「初めまして、森山、です。」
「よろしくね。ちょっと樹かりていい？」
「あ、はい、ここで待っていますので、」
「うん、ありがとう。」
滝沢先生がくるりと背を向けて、俺を連れて行こうとするので。
「ちょ、北斗！！」
少し離れたところでひとりで飯を食ってる北斗に声をかけると、
こっちを向いてもぐもぐしてる。
「ごめん、Aと一緒にいて！」
フォークを持った右手をそのまま挙げて、Aの方へと歩いて来る。
「A、絶対北斗から離れんな。」
「はい。」
それだけきつく言い渡して、俺はジェシーと慎太郎と一緒に滝沢先生の
後をついて会場を出た。
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作者名：月華
| 作成日時：2023年5月15日 0時
