たとえばここが、世界の果てでも (ページ9)

今日:14 hit、昨日:30 hit、合計:68,035 hit

9 ページ9

翌朝。

いつもは好きな時間に寝て起きて、好きな時間に作業をしているけれど、久しぶりに
期限がある作業が入って来たので、一応午前中のうちに起きだして活動を始めることにした。

「あ、樹、さん、」

2階に降りて行けば、ブランチの時間帯で。
Aは、キッチンでベーコンエッグを焼いていた。どうやら、朝のうちにマルシェに
食料を買い出しに行ったらしい。

「おはようございます。」
「はよ。」

皿にトーストとベーコンエッグを乗っけて、ミルクティと一緒に作業部屋に向かうA。

廊下をはさんで開け放ってなるお互いの作業部屋。ふとドアの方を見ると、トーストを
かじりながら一心不乱に何かを書き留めているAがいた。

とりあえずコーヒーを飲むために湯を沸かす。
湯が沸くのを、水を飲みながら待った。

Aの作った食事がいい匂いだな、と思いながらコーヒーを持って自分の作業を始める。
まだ部品が揃ってないから、手をつけられるところから始めようとすると、目の前の伝声管が
着信を告げる。

蓋を開けて「はい。」と答えると、どうやら昨日のうちに頼んでいた部品が揃ったらしい。

昼までに行く、と答えて、通話を終了した。

開けっ放しのドアを、一応ノックすると。

「はい、」

ベーコンにかじりついたまま顔を上げるA。

「………メシ食ったら、ここ行ってきて。」

行き先を書いたメモを渡す。

あわててベーコンを飲み込んで、「かしこまりました、」と言いながら立ち上がろうと
しているから、

「食ってからでいーって。」

と言ったのに、いや、でも、と言いながら立ち上がろうとしている。

俺は軽くため息をついて。

「……食ったら教えて。」

そう言って、一度渡したメモを取り上げた。