よもつひらさか (ページ7)

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卒業おめでとうページ7

今日は私の学位授与式だ。

卒論が通って、もう大学へ行くこともなくなって。

この門をくぐるのは久しぶりだ。

朝から袴をしっかり着付けてくれたのは、お屋敷のサキコさんたちだった。

「できましたよ、樹さん。」

着付けよりも、樹の「できた！？ねぇできた！？」に少し疲れた顔をしながら、
障子を開けて樹に声をかけている。

「うわかあいい！！」

えこれ、大学の男どもに見せんの！？となぜかサキコさんに聞きながら私を前後左右から見ている。

「古くから伝わってるものですから、柄も流行りに左右されませんし、お似合いですよ。」

出来上がりに満足したのか、サキコさんやほかのお手伝いさんたちの表情は嬉しそうだ。

「えーやっぱりフツーにスーツでよくね？」
「………樹、何言ってんの…。」

呆れたような大我の声がする。

「大我。」
「おはよう、A。めっちゃかわいいよ。よく似合ってる。」
「ありがとう。」
「卒業おめでとう。」

そう言って、大我は白とピンクでできた小さな花束をくれた。

「うわぁかわいい、ありがとう、大我…！」

嬉しそうな顔をした大我は、私の隣に並んでスマホで自撮りをした。

他のみんなにもたくさん褒めてもらって、いい気分でお屋敷を出発する。

天気も良くて、暖かい。

ご機嫌で、大学まで向かった。