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自分の存在をアピールし始めた頃の話 ページ8

「あもしもし?俺。」

電話の向こうでは、あ、じゅり?と甘ったるい声がする。

「うん。悪いんだけどさ、もー会わねーから。」
『え?どゆこと?』
「じゃね。」

相手のセリフはそれぞれだったけど、俺から発するセリフは同じ。


何回同じ作業をしたか数え切れなかったけど、ひとまずメッセージアプリの友だちから全部削除。



作業終了したあとで即機種変。
番号も変えた。



「よし。」


深呼吸して気合いを入れると、この間キャンドルを買ったおねーさんのお店のショップカードを
カードケースから取り出す。



クリスマスのキャンドルイベントをやっていた広場から、歩いて5分くらいの少し奥まったところ。
そこに、目的のお店があった。


かわいらしい雰囲気の路面店には、窓越しに色とりどりのキャンドルがたくさん見える。




ドアを開けると、カランコロン、とベルが音を立てた。


奥から「いらっしゃいませ、」と出てきたのは、イベント以来のおねーさんだった。


「………あ、この間の、」
「え、覚えててくれてんの?」
「ああいうイベントでキャンドル買ってくれる男性、あまりいないので……」

それに、と言ったあとで黙ってしまったので、「それに?ナニ?」と聞いてみる。


「ずいぶん高身長でイケメン揃いのグループだなぁ、と思って。覚えてました。」
「んは!ありがと。」
「……キャンドル、どうでしたか?」

ちょっと窺うような目と表情で見てくる。

「……実は、もったいなくてまだ使えてない。」
「そうですかぁ…。」
「あ、ごめん。」
「いえ、いいんですいいんです。でも、あの、」
「ん?」
「キャンドルは灯してナンボなんで、あの、ぜひ使ってみてください、そのために作った子たちなんで、」
「んふ、わかった。そうします。じゃあ、使い切ったら、次のヤツ買いに来ます。」
「はい、お待ちしてます。」

じゃあ、今日は………ダメだ、キャンドル贈る相手とかいねぇ、けど……。


そうだ、ママだな!

▽→←〜軽くあとがきのようなもの〜



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設定タグ:SixTONES , 田中樹   
作品ジャンル:恋愛
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月華(プロフ) - ゆうきさん» コメントありがとうございます!嬉しいです。ふとしたときに、お互いをわかってて、お互いを大好きで、というのを書きたいと思っています。大好きって言っていただけて嬉しいです。また遊びに来てくださいね。 (2023年1月3日 11時) (レス) @page14 id: 1c32e2fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 更新ありがとうございます!!主人公ちゃんが自分の家に帰ってることもお見通しで樹くんも主人公ちゃんの家に帰ってくるのまじ最高です。月華さんのお話全部大好きです! (2023年1月3日 2時) (レス) @page14 id: 9ee5ac8e16 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華 | 作成日時:2022年11月29日 23時

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