日常は変わることなく過ぎていくのだ ページ6
あれから。
やっぱり人事が動くっていうのは、そう簡単じゃない。
ゆかこは相変わらず俺らの担当だし、誰かが代わりに異動してくる、という話が出ることもない。
不本意だけど、それでも、変わらない毎日は過ぎていく。
多少控えるようにはなったけど、ゆかこが俺の気を引こうとしているのは変わらないし、
俺がそれを鬱陶しく思っているのも変わらない。
俺とAも、そのまま、変わることなく日々を過ごしている。
「おはよ、A。」
「おはよう、樹くん。」
目が覚めると、大好きな人が腕の中にいるのが、とても幸せで。
「じゃあ、行ってくんね。」
「え、樹くんまた何も食べずに行くの？」
と言って、朝ごはんに用意してくれたサンドウィッチを包んでくれる。
「こんな食えないよ。」
と笑って言えば、
「じゃあ、大我くんにも分けてもらっていい？」
とか言い出すから。
「やっぱ俺が全部食う。」
と即答しとく。
腰を抱き寄せながら
「今日、来れる？」
と聞いてみる。
「うん、お仕事終わったら、行く。」
「Aが先だったら、入って待ってて。」
自分でもデロデロな顔をしてる自覚はある。
「わかった。」
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
Aの唇をゆっくりと啄んで離れると、ちゅ、という音がした。
そのまま、送迎車に乗り込んで。
ニヤけた顔を自覚しながら、サンドウィッチの包みを取り出す。
「樹さぁ、いつになったら俺も食べれんの？」
とのぞきこんでくるきょもには、「そんな日、永遠に来ない。」とだけ答えた。
俺とAの間にトラブルは起きたけど、それでも変わらない日々は続いて行く。
うん、幸せだ。
「やべー食いすぎた、」
「絶対俺の分もあったじゃん。」
「ねぇって。」
〜不穏・終〜
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月華(プロフ) - ゆうきさん» コメントありがとうございます！嬉しいです。ふとしたときに、お互いをわかってて、お互いを大好きで、というのを書きたいと思っています。大好きって言っていただけて嬉しいです。また遊びに来てくださいね。 (2023年1月3日 11時) (
レス) @page14 id: 1c32e2fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 更新ありがとうございます！！主人公ちゃんが自分の家に帰ってることもお見通しで樹くんも主人公ちゃんの家に帰ってくるのまじ最高です。月華さんのお話全部大好きです！ (2023年1月3日 2時) (レス) @page14 id: 9ee5ac8e16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2022年11月29日 23時
