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「きょも！！」
次の日、仕事に行くと、すでに樹が来ていて。
俺がドアを開けると、飛びついてくる勢いでやって来た。
「ね、どうだった！？A、なんて言ってた！？A、俺のことまだ好き！！？？」
食われる…。
北斗の、なにやら奇怪なものを見る目を感じながら、「まぁ落ち着きなよ、」と言って
荷物を置いたらソファに座る。
縋りつくみたいに俺の隣に座る樹。それをまるっと無視して、俺は鏡の前に座って
こっちの様子をうかがってるこーちに声をかけた。
「こーち。集合。」
「は？」
「え、なんでこーち？」
「いいから。ここ座って。」
なんで呼ばれてるのかわからないまま、こーちが俺の前に座る。
「なんで俺呼ばれてんの？」
樹とこーち、ふたりぶんの視線を受けて(いや、他のメンバーもこっちを見てるから
正しくは５人分だ)、俺は口を開いた。
「……………。」
俺からの説明を聞いて、呆然と俺を見ている樹。
いつもなら、ちょっとふざけたような茶々を入れる慎太郎やジェシーも、何も言わずに
こっちを見ている。
「こーちとふたりでずいぶん盛り上がったんでしょ？俺、聴いてないけど。」
否定も肯定もできないまま、ふたりとも固まっている。
「こーちはまあどーでもいいけど。」
「は？」
「盛り上がったのは確かでしょ。」
「……なんかごめん。」
……こーちのせいじゃねーよ、と呟いて、樹は両手で顔を覆うと、肘を膝について周囲をシャットダウンした。
「…あのさ、樹。」
反応はないけど、そのまま続ける。
「Aちゃん、なんで言い出せなかったと思う？」
「……え…？」
顔を上げてこっちを見る樹。
「それを言っちゃうことで、樹が思い通りに仕事ができなくなるかもしれないのがイヤなんだってさ。」
「………へ、」
俺が言うのはちょっと恥ずかしいけどさ、と前置きをして。
「自分の身体にコンプレックスがあるのはもちろんだけど、そんなことよりも樹の仕事の方が心配なんだって。」
「………A、」
泣きそうな顔で俯いている樹。
「今日、お店やってる日じゃないの？」
「そう、だけど、」
「迎えに行ってあげなよ。」
Aちゃん、樹に会いたいんだってさ。
そう言うと樹は、迎えに行く、今日、絶対、と、誰に言うでもなく呟いた。
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月華(プロフ) - ゆうきさん» コメントありがとうございます！嬉しいです。ふとしたときに、お互いをわかってて、お互いを大好きで、というのを書きたいと思っています。大好きって言っていただけて嬉しいです。また遊びに来てくださいね。 (2023年1月3日 11時) (
レス) @page14 id: 1c32e2fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 更新ありがとうございます！！主人公ちゃんが自分の家に帰ってることもお見通しで樹くんも主人公ちゃんの家に帰ってくるのまじ最高です。月華さんのお話全部大好きです！ (2023年1月3日 2時) (レス) @page14 id: 9ee5ac8e16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2022年11月29日 23時
