▽ ページ22
「…………ボア・ハンコック…。」
「…………ハイ…。」
目に見えてズーンと落ち込んでいる、このかわいい生き物は、
どうやら樹がマンガのキャラクターと
同棲したいだのたまらんだのと、公共の電波を使ってベラベラ
しゃべって楽しそうにしていたことに
対する自分の気持ちに、自己嫌悪を抱いたかららしい。
「………だって、どう考えたって私の身体ってボア・ハンコック
じゃないですよね？」
「…………んぁ〜……。」
そうだね、とも、そんなことないよ！とも返すわけにいかず
(こんなこと大っぴらには言えないけど本人が言う通り、
どう見てもそんなボリューミーな体つきではない)、最初の
Aちゃんと同じようなことを呟いて反応を返す。
「…だから……『そういうこと』に腰が引けた、と？」
思い切ってそう聞いてみると、長い沈黙の末に小さく頷きながら
「ハイ。」と返って来た。
「でも、現実にいない架空の人物に対して抱く気持ちとしてどうなの？
とも思うし、でも、あれが樹くんの理想なら、私って……って思っちゃって、」
オレンジジュースを一気に飲み干して、ビールにしとけばよかったかな、
とひとりごと。いえ、ソフトドリンクでよかったです、逆に。
「……わかった。」
「………え…？」
「お兄ちゃんにまかせなさい。」
そう言って、オレンジジュースでいい？と聞いて、ドリンクのおかわりをオーダー。
「ちゃんと俺が樹を叱っといてあげるからね、安心してごはん食べな？」
と、取り皿に唐揚げを入れてあげた。
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月華(プロフ) - ゆうきさん» コメントありがとうございます！嬉しいです。ふとしたときに、お互いをわかってて、お互いを大好きで、というのを書きたいと思っています。大好きって言っていただけて嬉しいです。また遊びに来てくださいね。 (2023年1月3日 11時) (
レス) @page14 id: 1c32e2fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 更新ありがとうございます！！主人公ちゃんが自分の家に帰ってることもお見通しで樹くんも主人公ちゃんの家に帰ってくるのまじ最高です。月華さんのお話全部大好きです！ (2023年1月3日 2時) (レス) @page14 id: 9ee5ac8e16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2022年11月29日 23時
