急速充電 ページ11
ただいま、と少し疲れた声の主は樹くんだ。
つき合いのいい彼らのこと、きっと生放送の最後まで会場にいて、そこから帰って来たに違いない。
「おかえりなさい。」
玄関でサンダルを脱いで素足のまま、さみー、と言いながらリビングのドアを開ける私を抱きしめる。
「ただいま。」
「おかえり。ごはん、食べた？」
「うん。ケータリング。」
Aは？と聞かれて、食べたよ、と答える。
「Aのごはん食べたかった。」
「明日の朝、一緒に食べよう。」
「ん。」
もう一度、お疲れ様、と言うと、そのまま私の手を引いて洗面所へ向かう樹くん。
手を洗う前に私を背中から抱きしめて、手をつないだまま蛇口のレバーを動かして。
「手ぇ洗うまえにつないじゃったから、洗ったげるね。」
そう言いながら、樹くんが流れる水に触れる。
「冷た！！」
慌てて手を引っ込めて、そこから指先で流れる水をちょんちょんと探りながら、お湯が出るのを待っている。
「出た！お湯！！」
私の手を両手でサンドして、一緒に手を流す。泡が出るハンドソープをふたりの手にプッシュして、
一緒に手を洗ってくれて。
「はい、流すよー。」
「はーい。」
綺麗に流した手をタオルで包んでくれる。
「うがいするから待ってて。」
私と前後を入れ替えると、私の両手を自分のおなかに持ってきて、今度は私が樹くんをバックハグする
体勢にさせられた。
「ねぇ樹くん、なにこれ。」
こらえきれない笑いが声に混ざる。
「だってさー、最近めっちゃ忙しいからー。」
A不足が加速してんだよ、と言ってうがいを終えた口を拭いて体を反転させる樹くん。
「あーこれでやっとちゅーできるー、」
樹くんは、そう言いながら私の腕を取って、自分の首に回させたあと、私の腰を引き寄せる。
「はい、ちゅー。」
言ってる言葉はかわいいけど、顔つきはしっかり肉食動物だ。
「ん、」
一度触れた唇をゆっくり離すと、すぐに舌が唇を割ってくる。
「風呂、入ろ？」
言いながら私の唇を食べ続けて、スエットの裾から滑り込んで来た手が腰を撫でる。
「ん、っじゅり、」
ちゅう、と音を立てて唇が離れて、はぁ、と漏らした吐息が唇に触れた。
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月華(プロフ) - ゆうきさん» コメントありがとうございます！嬉しいです。ふとしたときに、お互いをわかってて、お互いを大好きで、というのを書きたいと思っています。大好きって言っていただけて嬉しいです。また遊びに来てくださいね。 (2023年1月3日 11時) (
レス) @page14 id: 1c32e2fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 更新ありがとうございます！！主人公ちゃんが自分の家に帰ってることもお見通しで樹くんも主人公ちゃんの家に帰ってくるのまじ最高です。月華さんのお話全部大好きです！ (2023年1月3日 2時) (レス) @page14 id: 9ee5ac8e16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2022年11月29日 23時
