１１７〜お嬢の気持ち／樹〜 ページ31
「………えっ…？」
ちょっと呆然とした声を出してしまう。
他のみんなも、Aの発言がイマイチ理解できてないみたいで、動きが止まってる。
「A…？」
膝に座ったままのAの顔をのぞきこむ。
なに、と返したAの表情は硬いし、俺の右手を握った両手は力がこもったままだし
汗ばんできている。
「…なんで…？」
うまく声が出ない。
阿部ちゃんから話が出たとき、あんなに戸惑ってたのに。
「……うまく、言えない、けど。」
Aは拙いけれど、思ってることを少しずつ話してくれた。
自分が次の世代につなぐ役割だけの存在だと思っていたこと
でも、突然現れた桜子さんの存在が、いろんな意味でショックだったこと。
それは、ネガティブなものの方が大きいけれど、しっかりしなくては、と感じたことも事実だということ。
何より、朔太の家族への態度がとてもつらかったこと。
だからこそ。
「私が、しっかり力を身に付ければ…。樹と一緒にいても、誰にも文句を言われないって…思って。」
まだ、自信がないこと、未知の世界に対する恐れみたいなのが見て取れたけど。
「………Aは…それで、いいの…？」
俺の方が戸惑った声をしてるって、自分でわかる。
しっかり視線を合わせて聞いてみれば。
「…うん。」
「……引き返せないよ？」
こーちの言葉に、息を飲むけど、
「だいじょうぶ、」
そう言って、俺の手を握る手に力が加わった。
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月華(プロフ) - ﾘﾝさん» ありがとうございます。これからも遊びに来て下さるのをお待ちしてます。 (2022年10月27日 12時) (
レス) id: 86be01ea37 (このIDを非表示/違反報告)
ﾘﾝ(プロフ) - とても好きな作品です、陰ながら応援しています😌 (2022年10月27日 0時) (レス) @page23 id: b89b825fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2022年10月17日 0時
