１０８〜話がまとまったので〜 ページ18
話がまとまったので、玲はまた幽世へと戻って行った。
「何かあったら呼べ。すぐに戻る。」
と約束して。
「せっかくの誕生日だったのに、午後から仕事モードになっちゃったなー。」
部屋でくつろぐ樹が、少しつまらなそうにつぶやく。
「樹。プレゼント、渡してなかったよね。」
そう言って、自分の荷物を引き寄せると、
「え、お嬢のことだけじゃなくて、何か物までもらえんの！？」
と途端に機嫌を直して近くに寄ってくる樹。
「あるよ、はい。」
とラッピングされた小さな箱を渡せば、「開けてい！？」とこっちを見てくる。
「もちろんだよ。開けて？」
と答えれば、早速リボンをほどき始める。
「えー！めっちゃかぁいいじゃん！」
いつも樹がつけているよりも、もう少し小さめのフープピアス。
それと一緒に、揺れるデザインで小さく目立たないようにムーンストーンがついたピアスを１つ。
「え、もうつけてい！？めっちゃ好み！」
鏡をのぞきこんで、今つけているピアスを外し始める。左耳にフープピアスを２つ
つけて、右耳にムーンストーンのピアスをつける。
「わー！めっちゃいいー！！」
似合う！？とこっちを見てにこにこで聞いてくるから、「とっても似合うよ」と
答えれば、ご満悦のようだ。
「これ、６月の誕生石っしょ？」
「そうだよ。」
石言葉には「健康」だとか「恋の予感」だとかいろいろあるけど、あまり気にせず
単純に誕生石を選んだ。
「ありがと、A。ずーっと大切にする。」
そう言って、ひとつキスを落としてくれる。
「夕餉が終わったら、またここに一緒に戻ってきてね。」
そう言ったかと思うと、また甘い雰囲気を漂わせてくる。
長い夜になりそうなことはわかるのに、逆らえないのは。
私も同じくらい樹のことを欲しているのか、
神獣としての能力なのか。
どっちだとしても、逆らおうなんてこれっぽっちも思えないのだけれど。
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月華(プロフ) - ﾘﾝさん» ありがとうございます。これからも遊びに来て下さるのをお待ちしてます。 (2022年10月27日 12時) (
レス) id: 86be01ea37 (このIDを非表示/違反報告)
ﾘﾝ(プロフ) - とても好きな作品です、陰ながら応援しています😌 (2022年10月27日 0時) (レス) @page23 id: b89b825fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2022年10月17日 0時
