夢見る場所３ ページ9
「こちらに、森山さんを連れてくるように頼まれました。」
「…………へ？」
目の前のドアには、『QuizKnock様』とでかでかと印刷された紙が貼られていた。
「あの、ここって楽屋ですよね？」
「はい。」
「ぇと……。」
戸惑っていると、その男の人はドアをノックして。中から返事があったのを確認すると、
「森山さんをお連れしました。」と言ってそのままどこかへ行ってしまった。
ちょっと待って。
ここに、入って行けって！？
伊沢さんだけじゃない、他の３人もいるだろうこの部屋の中へ！
私が立ちつくしていると、ドアが中から開いて。
「っ！！」
「いらっしゃい。」
伊沢さんがにっこり笑っていた。
こちら、森山Aちゃん。俺の免許証を拾ってくれた恩人です。」
「………森山、です。初めまして。」
「向かって右からふくら、川上、須貝。」
「………超適当な紹介だね、伊沢サン。」
須貝さんがちょっと呆れたような顔をしているのも全く気にせず、伊沢さんは私に向かって「何か飲む？」と聞いた。
「なになに、伊沢さんの彼女？」
きらきらと眼鏡の奥の瞳を輝かせて、私と伊沢さんを交互に見比べるふくらさん。
「ちちちち違っ………！」
焦った私が、思いっきり両手を振って否定するのを、３人は面白そうに見ていた。
それから、みなさんにはいろいろ構ってもらって。
緊張のあまり、少しふわふわしていた私は、何を話したか、何があったか、ほとんど
覚えていなかった。
「そろそろ帰ろうか？」
伊沢さんの一言で、我に返り。
「あ、は、そ、そうですね、はい！か、帰ります！」
「どんだけ緊張してるの？」
というさん川上の一言に顔が熱くなった。
「それじゃ、お先に。」
荷物を抱えた伊沢さんの隣で、頭を下げる。
「あの、こんなところまでお邪魔してしまってすみませんでした。差し入れも持たずに……。」
私の言葉に、みなさんが口々に「お気遣いなく。」と言ってくれて。私は、伊沢さんが開けてくれたドアをこそっと抜けた。
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月華(プロフ) - てるさん» コメント、ありがとうございます！応援してくださるだなんて…！がんばります。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月29日 22時) (
レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
てる - このお話大好きです、、！！応援しております！ (2019年1月29日 21時) (レス) id: d6f680dd65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2019年1月27日 22時
