譲れないもの ページ50
俺の一番のライバルは誰だろう。水上？須貝さん…福良さんとか。
まぁ、クイズをやっていく上ではライバルと呼べる顔はいくつか思い浮かぶ。
とは言え、別に彼らを疎ましく思ったりするわけではないし、切磋琢磨して
自分たちの技術や能力を向上していける仲間だと思ってる。
で。
一番の「ライバル」ではないけれども、一番「やっかい」なのは。
Aの元彼なんだよね。
別の楽器を演奏していると言っても、同じ大学に通って同じオーケストラで演奏をしている
その元彼。まぁ、当たり前だけれど交流は普通にある。
そして、何かにつけて俺の大事な恋人にちょっかいをかけてくるらしい。
許すまじ。
それを聞いて、軽くキレた俺は。オフィスでの作業の合間に、学校が終わる時間を計算して大学の門の前までやってきた。
時計が大学の放課時刻を指し、少しすると中からたくさんの人が出てくる。
その中に愛しい恋人の姿を見つけると、俺は持たれていた体を起こして「A！」と声をかける。
隣を歩くのが、やっぱり「彼」であったことに俺は少し怒りを覚えて。楽譜らしきものをやりとりしている姿に、ほんの少しの疎外感も付け足された。
「伊沢さん！？」
声の方向をキョロキョロと見まわし、俺の姿を見つけたAは、驚きと嬉しさを一度に
表した表情で俺の元へと駆け寄ってくる。その姿に、今までの感情は一気に帳消し。
「どうしたんですか？」
「うん、早く会いたかったから。迎えに来た。ダメだった？」
「全然！嬉しいです。」
少し頬を蒸気させて俺を見上げるAの手から受け取った鞄を、自転車のカゴへと載せる。
俺は、わざと彼に向かって優越感たっぷりの笑顔を向けてから、オフィスに向けて自転車を押し始める。
俺には、譲れないものが２つあるんだよ。
クイズと、大切なお姫様。
その１つを俺から奪おうなんて、１００万年早いよ。
俺は、ものすごくいい気分でAの隣を歩く。
「オフィスに戻ってもいいかな？」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ここでお話がいっぱいになってしまいました。皆さん、おつきあいをありがとうございます。
まだまだふたりのお話は続く予定です。
他のお相手のお話も思いついたら、新しく作っていこうと思っています。
よろしくお願いいたします。
A
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月華(プロフ) - てるさん» コメント、ありがとうございます！応援してくださるだなんて…！がんばります。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月29日 22時) (
レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
てる - このお話大好きです、、！！応援しております！ (2019年1月29日 21時) (レス) id: d6f680dd65 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月華
| 作成日時：2019年1月27日 22時
