半分こ２ ページ44
「あーーーーー！！！」
思わず叫んだ私を、伊沢さんはくすくすと笑いながら見つめて。
「だって、元はと言えばAが悪いんでしょ？」
そう言って、口の中で飴をころころと転がしている。
「私だって、食べたかったです…。」
唇を尖らせて、軽く拗ねると。
「ズルイよ、その顔は。」
そう言って、私を引き寄せる。
「ひゃ。」
伊沢さんは、私を抱き留めたまま、ソファに仰向けになって倒れ込む。
とくとくとく。
伊沢さんの鼓動が聞こえてきて。
それに意識を集中させていると。
伊沢さんの体越しに、「かり」という音が聞こえた。
「？」
なんだろう。そう思っていると、聞こえる鼓動がほんの少し早くなる。
「A？」
「はい？」
顔を上げると。
「わ…。」
右手を後頭部に回され、そのままぐいっと引き上げられた。
「………………。」
ゆっくり近づく唇。反射的に目を閉じる。
すると、ぷに、と唇が重なって。
「ん………。」
一瞬感じた伊沢さんの舌から、マスカットの甘い香りと味がやってくる。
唇はすぐに離れて。
名残惜しい気持ちを残して、ゆっくり目を開けると。
「半分こ。」
伊沢さんは微笑みながらそう言って。そのまま私をきゅ、と抱きしめてくれた。
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月華(プロフ) - てるさん» コメント、ありがとうございます！応援してくださるだなんて…！がんばります。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月29日 22時) (
レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
てる - このお話大好きです、、！！応援しております！ (2019年1月29日 21時) (レス) id: d6f680dd65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2019年1月27日 22時
