「後で悔いるから『後悔』と言います。」２ ページ19
部屋に一人残された私は、悶々と考えて。自分がとんでもない状況に置かれていると
やっと理解した。
これだから、須貝さんに鈍いって言われるのかな。
散々携帯とにらめっこして。やっとかける相手を決めた。
そこには、「須貝駿貴」と表示されている。
散々迷って、やっと須貝さんに相談することに決めて。それでも、携帯の「須貝駿貴」の
文字とにらめっこすること２０分。
「えいっ！」
掛け声とともに通話ボタンを押す。
呼び出し音が聞こえる。あー、出てほしいような、ほしくないような。でも、誰かに話を聞いてもらいたい。
『もしもーし。ナイスガイでーす。』
「ぁ、ぁ、あの、須貝さんですか！？」
『はいはーい。そうですよ。』
「あの、わたっ、わた、私、」
『落ち着けどうした。』
須貝さんは電話の向こうでくすくす笑っている。
「いえ、あの、そのっ………！」
『どした？』
「あの、お、お話聞いてください！」
『いいけど。出てこれる？』
「あ、いえ、電話で構いません。このままで。」
『声の感じからすると結構切羽詰まってそうなんだけど。』
「え？」
『伊沢サンのこと？』
「……………はい。」
なんでわかったんですか。
『この間一緒にコーヒー飲んだ喫茶店って、近くなの？』
「あ、はい。割と。」
『歩いて行ける？』
「はい。」
『１０分で行く。』
須貝さんは、そのまま通話を終了した。私は、慌てて出かける支度を始めた。
「お待たせ。」
約束通り、電話を切ってから１０分で現れた須貝さんは、少し息を荒げていた。
「ホット。」
ウェイトレスさんにそう告げると、須貝さんは私の前の席にどっかりと腰を下ろした。
「で？」
「え？」
「聞いてほしいことがあるんでしょ？」
「あ、はい。」
「で？」
「ぁ、えと………。」
「告られた？」
「！」
ティカップを掴もうとした手がびくりと震える。
「な、なな、なんっ……。なんでわかったんですか！？」
さも当然のことのように、須貝さんは答えた。
「わかるよー。伊沢サン見てれば。」
「え！？」
「気づいてなかったでしょ。」
「………全然。」
須貝さんは、「やっぱり。」と言ってにやっと笑った。
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月華(プロフ) - てるさん» コメント、ありがとうございます！応援してくださるだなんて…！がんばります。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月29日 22時) (
レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
てる - このお話大好きです、、！！応援しております！ (2019年1月29日 21時) (レス) id: d6f680dd65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2019年1月27日 22時
