「後で悔いるから『後悔』と言います。」１ ページ18
伊沢さんに、抱きしめられた。
伊沢さんが、少しだけ体を離して…私のほっぺたに右手を添える。ゆっくりと
顔を近づけたかと思うと、一瞬ためらって、そのまま近づいた顔を離した。
そのまま、伊沢さんは私を開放する。
「……………今日は、帰るね。」
「あ………。」
私を解放した伊沢さんは、ソファの近くに置かれていたバッグとコートを持って玄関へと向かった。
「伊沢さん！」
私は、急いで後を追った。
怒らせてしまっただろうか。漠然とした不安が、私を襲う。
伊沢さんが、玄関で靴を履いて振り返った。
「ごめんね。突然あんなことして。」
「ぁ、いえ……。」
私は、目線を下にしてゆっくりと頭を左右に振るしかできなかった。
「今帰らないと、今日はAちゃんに何するかわからないから。」
「え……。」
「返事は、急がなくていいよ。気長に待つ。」
「伊沢さん…。」
「でも、もう遠慮しないからね。」
「えっ？」
「僕の気持ち伝えたから、もう遠慮はしない。今まで以上に積極的になるよ。」
覚悟しといてね、と伊沢さんは優しく微笑んで、そっと私を抱き寄せた。そしてすぐに
私を離すと、微笑んだまま言った。
「似合うね、ネックレス。」
さすが、僕の見立てだな、と言って。
「じゃ、またね。メッセージも電話もするから。」
「はい。」
そして、伊沢さんは帰って行った。
「後で悔いるから『後悔』と言います。」２→←手を伸ばせば届く距離２
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月華(プロフ) - てるさん» コメント、ありがとうございます！応援してくださるだなんて…！がんばります。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月29日 22時) (
レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
てる - このお話大好きです、、！！応援しております！ (2019年1月29日 21時) (レス) id: d6f680dd65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2019年1月27日 22時
