あきれるくらいに鈍いひと２ ページ12
「よく誘って頂いてますよ。ご飯食べに行ったり、遊びに連れてっていただいたり。」
「伊沢サンから？」
「はい。いろいろと忙しいのに、気を遣っていただいてます。」
免許証拾っただけなのに申し訳なくなっちゃいます、と付け足して、森山さんは
苦笑いしていた。
森山さんに初めて会って数日後。伊沢サンと話をする機会があって。伊沢サンが、
森山さんのことを「ちょっと鈍いのかも。」と言っていたことを思い出した。
確かに。
「森山さんはさ、今、彼氏いないんでしょ？」
「いません。いたら、こんなにしょっちゅう伊沢さんと遊びに行けませんよ。」
ころころと笑う。
「だよね。でさ、伊沢サンのこと、どう思う？」
「どうって………？」
「だからぁ！………好きとかキライとか。」
「嫌いだったら、一緒に遊びに行きませんよ。」
「そうじゃなくて………そうですね。」
伊沢サンのことを楽しそうに話す森山さんは、きっと伊沢サンのことを好きになっている。
それでも、自分は伊沢サンに恋愛感情を持っているとは気づいていない。
自分の気持ちに気づいてないんだから、伊沢サンの気持ちに気づくはずないよね。
今だって、そんなに目ぇキラキラさせちゃって。ほっぺただって軽く紅潮してるじゃないの。
「……呆れるくらい鈍いな。」
「私がですか？」
「他に誰が。」
「そんなことありません！」
そこまで力一杯否定する自信はどっから出てくんの！？
伊沢サン、こりゃ、ちょっとどころじゃないよ。
俺は、呆れた笑いを浮かべながら、森山さんが「いかに自分が敏感であるか」という
力説を聞かされつつ、そう思った。
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月華(プロフ) - てるさん» コメント、ありがとうございます！応援してくださるだなんて…！がんばります。これからもよろしくお願いします。 (2019年1月29日 22時) (
レス) id: 333e4733fe (このIDを非表示/違反報告)
てる - このお話大好きです、、！！応援しております！ (2019年1月29日 21時) (レス) id: d6f680dd65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月華
| 作成日時：2019年1月27日 22時
